不調に負けない自分を創る入門書とは、「治る・治らない」の二元論的思考から脱却し、結果ではなく、逆境にどのように立ち向かうかというプロセスそのものに光を当て、そのプロセスを通じて「自分なりの考え、価値観、正義感、世界観を形成し、不調に振り回されずに、人生を自由に創造して生きる」ことを達成する為に、作成したものです。本文を読み進めて頂くことで、あなたの従来の常識はどんどん破壊され、あなたは不調に縛られない自由を手にすることが出来ます。ぜひ、ご自身の「不調に負けない自分を創る」糧にしてください。

この文章は、「あなたが不調への従来の常識を破壊し、不調に振り回されることなく、自由に人生を創造していく」ことを目指して作成しています。

「どこに行っても治らなかった、私の不調がホントに回復するの?病院の検査でも異常が出ないし、もう心が折れそうなのよ」

そう思うのも無理はありません。この文章を読んでいる方の中には、「〇〇するだけで、あっと言う間に治る!」などの言葉に散々振り回された挙句、結局回復せずの繰り返しでつらい思いをした方もいるのではないでしょうか?その結果、回復への希望を持つことに疲れ果て「もう治らないのでは?」と絶望している方も沢山いらっしゃることでしょう。

私が何が言いたいのか、、それは

世の中には「○○するだけで治る」などのキャッチフレーズが溢れていて、頭が混乱する!!

「訳が、、、わからないよ」

ということです。

私も、元不調者ですから、これでもかというほど、この問題に悩まされてきました。健康に関する情報量が膨大過ぎて、何が自分の不調の回復に役立つのかわからないのです。書店にいけば、多くの健康に関する本が並んでいます。そして、そこに置かれているのは、如何にもわかりやすいキャッチフレーズで不調から回復する為の方法が書かれた本です。ただし、不思議なことに沢山の本を読み、その通りに実行しても体調は一向に改善しないのです。

それならば、と意気込んでインターネットで検索を始める。するといよいよ、わけがわからなくなる。なぜならば、皆が皆、自分の主張をしているので、情報が錯綜してしいるからです。その結果、世の中には莫大な数の療法が溢れ、不調者をますます混乱させている。それが、健康ビジネスを取り巻く、実情ということです。

「自己の利益を享受する為に、様々な欲望がひしめき合う、それがこの世の実情」

なぜ、私がこのようなことをいきなりぶちまけるかと言いますと、私の最も強い行動エネルギーは「怒り」から生まれているからです。

そもそも「○○するだけで治る」というのは、

  • 本当に不調で苦しんでいる人に向けたメッセージなのか?
  • 安直な希望を見せることによって、かえって絶望の底に突き落とす結果となっていないだろうか?
  • もっと、丁寧に説明すべきではないのか?

私は、自分の不調時代の経験から、そのような強い疑念を抱かずにはいられなかったのです。

そのように言うと、

「じゃあ、結局、一体どうやったら不調から回復出来るの?あなたの考えを教えて!」

と思われることでしょう。

もちろん、私なりの”答え”の用意がございます。

今まで巷に溢れていたような「○○するだけで治る」と言ったわかりやすい話ではありませんが、この文章を最後まで読んで頂ければ、どのように不調から回復していくのかが、しっかりとお分かり頂けるかと思います。また、私自身の主張を一方的に述べるだけではなく、不調から回復へと向かう為の本質についてもきちんと言及しております。自分の主張をするだけでは「○○するだけで治る」といったやり方と変わりませんからね。これは、私自身が自分の不調で苦しんだ当事者だったからこそ気づく視点だと思います。

本文は、どこへ行っても治らなかった、慢性的な心身の不調に苦しむ方々の為に作成したものです。

  • 「常に自分の心身につらさ、痛み、不快感などが24時間付き纏ってくる人」
  • 「いつも焦燥感があり、安心できる感覚になれない人」
  • 「不調から回復しないと人生が始まらないなどの強迫観念に駆られている人」

などの闘いをしている人へ向けたものです。

症状・病名で言うのであれば、慢性的な肩こり、首の痛み、頭痛、めまい、メニエール病、自律神経失調症、うつ、パニック症候群、無気力、体のだるさ、パニック症候群、起立性調節障害、不安感、焦燥感、孤独感、その他様々な不調全般ということになります。

ぜひ、従来のアプローチとは全く違う方法にご期待ください。

「信じていいんだよね・・・?」

目次

■「不調に負けない自分を創る」為の基礎となる考え方

♢まずは「治る・治らない」の二元論的思考から脱出が重要

こんにちは、松岡です。結論から言いますね。慢性的な不調に悩まされているようであれば、まずは「治る・治らない」の二元論的思考から脱却が必要ですよ。

まあ、今までがそういう流れでしたもんね。そういうと思ってました。でも、もうちょっと分かりやすく教えて欲しいんですよね。なぜ、「治る・治らない」って考えてはいけないのですか?あっ、ちなみ私はツッコミ役のココロです。感情で色が変わる素敵仕様です。

いえいえ、「治る・治らない」と考えることは、不調なわけですから当然ですよ。問題なのは、その2択だけに視点が固定されてしまうことなんです。不調が中々治らなかった時に、将来への希望が見い出せなくなり、どんどん焦燥感や閉塞感が生まれてきてしまいますから。

なるほど。別に「治る・治らない」で考えることが良くないのではなく、視野が狭くなり、そこにしか目が行かなくなることがいけないんですね。それなら納得です。でも、なぜそのような考えが生まれたんでしょうか?

整体師として活動していく中で、どうしても治らない人が出てくるんです。特に、長期的に不調に陥っている方にその傾向が強いです。もちろん、全員に楽になって欲しいと思っているのですが、中々そうもいかない。そういった葛藤の中で、何か打開案はないかと思っていたのですが、私自身が「治る・治らない」の2つの択の中でしか考えられなくなっていることに気づいたことが発端です。

「治る・治らない」とは別に、第三の視点を持つことで、不調が治る治らないは関係なく、人生を前向きに生きれるようになるってことですね!素敵です!

そうですね!自分の視野を広げることで、焦燥感や不安感は大きく減少します。物事の捉え方を少しずつ変えて、自分を楽にしてあげてくださいね。

♢逆境に立ち向かうプロセスに光を当てる

それでは、第三の視点の解説に移ります。私たちが、提案している第三の視点とは、「逆境にどのように立ち向かっていくか、そのプロセスそのものに光を当てる」ということです。

プロセスっていうのは「過程」という意味ですよね。つまり、「現状の不調に対してどのように立ち向かっていくか、その過程を意識しましょう」ってことですか?でも、過程を意識したところで、ちっとも楽にならないのではないですか?

はい、そのように思うのもわかります。ただし、ご存じの通り、長期化している不調は何か月後に必ず治るといった類のものではないですし、そもそも、場合によってはずっと不調と闘う必要があるわけです。ですから、「どのしたら治るのか?」という視点の他に、「今の現状を受け入れた上で、どのようなスタンスで人生を進めて行くか」が大切になってくるんです。

ふむふむ。

それと、過程を意識するから未来へ繋がるんですよ。過程を意識しているとうことは、言い換えれば、「今を生きている」ということです。結果にだけに目を向けていると、それこそ焦燥感や閉塞感に捉われてしまい「不調が治らないと人生が始まらない」とマイナス思考になってしまうことがあります。実際には、人生は始まっているし、プロセスに光を当てれば、やれることは沢山あるんです!

確かに、、、言われてみれば、過程を意識せずに、結果だけを追い求めた方がずっとしんどそうですね。。ちなみに、逆境に立ち向かうプロセスに光を当てるって、具体的にはどういう事ですか?抽象的でよくわからないんですが。

それは「主体的に人生を生きれば、自律神経が整い、心身の不調から回復へ向かうことが出来る」ということです。

 

「え?主体的に人生を生きるってどういうこと?自律神経が整うとなぜ回復へと向かうことが出来るの?」と色々と疑問に思うことがあると思います。全文を通じて、順番にわかりやすく細部まで説明していきますので、どうぞ最後までお付き合いください。

「主体的に人生を生きる」とは、一言でいうと「自分なりの正義感、考え、価値観、世界観を持ち、それに従って意思決定して生きる」ということです。

言い方を変えると、自分が走るレールを自分で敷くということです。正解がない世界で、自分なりの生き方を創造していくことです。そこに決まった形はありません。どのような生き方を創造しようと、あなたの自由です。そして、主体的に人生を生きるようになればなるほど、人は意思決定に迷いがなくなり、確たる自分を持てるようになります。その結果、他人に許される為の意思決定をするのではなく、自分の人生を謳歌する為の意思決定が出来るようになるのです。

「自分の人生を生きる」これは、至極当たり前のように思うかもしれませんが、実際には多くの人は、他人に許された人生を生きています。自分の本音を無意識のうちに隠して、他人に流され、偽りの自分で生きてしまうのです。それは、主体的ではなく、周囲に反応的になっているということです。ですが本来、誰もあなたに「このように生きなさい」などの強制はしていません。

あなたが勝手に「○○な人間でなければ、自分は他人に認めて貰えない」と思い込んでいるだけです。その間違った思い込みによって、あなたは、自分の意思決定を自分の考えや価値観ではなく、他人に従ってするようになります。自分事なのに、他人に決裁権を委ねて意思決定をするというのはまるっきりおかしな話ですから、心の奥底に怒りや憎しみを溜めることになります。その怒りや憎しみは、人間の闘争スイッチをオンにします。それによって交感神経が働き続け、あなたの心身を破壊して不調になるのです。

 

        すると、、、⇩

ですから、解決方法は非常にシンプルです。主体的に人生を生きて、自分で自分の人生の舵取りが出来るようになれば、自律神経が整い、不調は回復へ向かっていきます。

本文では、その具体的なやり方を詳細までお伝えしています。

■自己紹介

申し遅れました、私は、整体師兼心理カウンセラーの松岡晃弘と申します。

元々はサラリーマンでしたが、自身の不調から回復したことをきっかけに、治療家の道へ進むことを決心しました。17歳から36歳まで、原因不明の頭痛に24時間、年間363日ぐらい19年に渡り苦しみ、あまりのしんどさに気絶して事故を起こし、脳波の検査も3回、ナルコレプシー診断、重度の低血糖症状診断も受けました。 ただし、現在はそれらの不調の9割は消え去り、幸せを感じて生きております。私自身が、不調を克服し、この心境に至った要因は大きくわけて2つあります。

一つ目は、人との出会いです。沢山の人との出会いのなかで、幸運にも様々なことに気づを得ることが出来ました。そして、その度に色々な生き方を模索していったのです。その結果、主体的に人生を生きられるようになり、心の奥底に憎しみや怒りを溜めることがなくなりました。

二つ目は、決して諦めなかったこと。どこへ行っても頭痛が治らなかった私は、その原因を突き止めることを決心しました。そして、自らを奮い立たせ、絶望と希望を行き来しながらも、少しづつ不調から回復する為の方法を確立していったのです。

ですから、絶望の中にも、希望は必ず見つかると自信を持って言えます。 私の経験、培ったものを全て提供してあなたの人生のゲームチェンジャーとなりたいのです。これが私の率直な思いです。

そして、私自身が不調から回復した経験を元に、あなたのお手伝いをするのが、私の役割だと思っております。なぜならば、そのように生きるのが、自分が一番輝く生き方だと感じているからです。

また、なぜ私がこのような考えに至ったかについては、私の不調時代の回想録もご覧になって下さい。不調から回復した実例として、あなたの希望にもなると思います。現状の状態から、回復までの道のりをイメージするのに役立つはずです。もちろん、あなたと私の不調時代の症状は同じではないですが、希望は十分にあることが分かって頂けると思います。

さて、それではこれから従来とは全く違うアプローチであなたには、回復へと向かって頂きます。

■《最重要》不調からの回復にあたって、あなたが理解すべきこの世の本質

♢完璧な療法は存在しない。自分に向き合い続けることが大切

私の主張は、一言で言えば、冒頭でも話している通り「主体的に人生を生きれば、自律神経が整い、心身の不調から回復へと向かう」というものです。なぜ、私がこのように主張するかというと、私がこの方法で不調から回復したからに他なりません。

しかし、それは私事であって、実際のところは、どのような療法が回復へのきっかけになるかは、人それぞれで違います。不調が治るきっかけは、100人いたら100通りあるということです。ですから、それに伴い、世の中に無数の健康情報が溢れることは、ある種当然だと思います。冒頭では、いかにも「〇〇するだけで、あっと言う間に治る!」などの健康ワードを敵視したような言い回しをしましたが、それ自体は、その開発者が本当にそう思っているのであれば問題はないのです。不調からの回復方法について、一つの回答を示したわけですし、その中には、素晴らしい療法もあります。

ただし、現実的には、毎回いつも、慢性的な不調がそのようにあっさりと治ることは難しい、不調者に誤解を招く言い方だよね、と思うわけです。要するに、マーケティング的にはそれで正解なのかもしれませんが、不調者にとってはマイナスとなる場合が多いのではないか?と私は感じているわけです。

と、少し回りくどい言い方をしましたが、ハッキリ言うと私は、そのような手法を使う人達が嫌いです。そもそも、世の中にこれだけ療法があって、あっと言う間に治るっていうのであれば、それこそ世の中に不調者なんてあっと言う間にいなくなります。

例えば、約419万人。これは何の人数だと思いますか?

日本人の約3%にものぼる数ですが、厚労省は、平成29年時点で、これだけの人たちが精神疾患で医療機関と関わっているとの報告書を作成しています。以下は、厚生労働省が発表した統計データですが、平成14年時点での同調査では、約258万人であったことも考慮すると、精神を病んでしまう人が急速に増加していることがわかります。

それこそ、世の中には「○○するだけで、あっと言う間に鬱が良くなる」系の本は溢れているわけですが、だったらなぜ、こんなにも苦しい思いをしている人はどんどん増えているのでしょうか?

何かおかしいですよね?辻褄が合わないと思いませんか?

私は、自分の不調を治したい一心でしたから「何が正しい情報で、何が偽物の情報なんだろうか?いや、そもそも自分の不調を治してくれる療法はこの世に存在するのであろうか?」と疑念を抱きながらも、幾多の療法を試しました。そして、いくつもの療法や考え方を学び、ようやく自分の不調を9割程度回復するまでに至ったオリジナルの方法に辿り着いたというわけです。

あくまで、私が辿り着いた回復方法を伝えているわけですから「どんな不調でも万全に回復させる方法」でもなければ「これだけやっていれば、あっという間に治る」というものでもございません。とはいえ、再現性を重視しましたので、ここに記載した回復方法は、誰にでもある程度の効果が見込めると確信した内容となっております。また、ここでは文章のみでの解説となるので、例え効果が高くても混乱をきたしてしまう内容の言及は避けています。その点は、予めご了承下さい。

大体、世の中には完璧な療法などは存在しませんし、これからもそのようなものは出てこないでしょう。なぜならば、何がきっかけで不調になるかは、人それぞれであること同様、何がきっかけで回復するかも人それぞれだからです。ただし、だからこそ、新たな療法が一つ世に出ることで、不調者が回復するチャンスが増えます。私は、そういった理由から、自分の回復理論を発信することを決めました。

ですから、

不調からの回復を目指すにあたって、最も理解すべき本質的なことは

「世界にあなたから不調を取り除いてくれる”答え”が落ちていると考えるのではなく、あなたの不調を回復させる”答え”を、あなたなりに創り上げる」ことなのです。

ですから、巷によくあるキャッチフレーズの「9割が治った」とか「○○するだけで、良くなった」などの言葉に引っ張られて、「これでつらい不調から回復出来る!」などと、一喜一憂しないようにしてください。もちろん、参考にするのは問題ありませんし、その方法で治るなら、それに越したことはありません。ただし、多くの場合、そう簡単に問題は解決しません。なぜならば、不調が治るきっかけは、人それぞれ異なるからです。それは、長年不調に苦しんできたあなた自身が一番良く分かっているはずです。自分を不調から回復させる”答え”は、あなた自身で探求して創り上げていく他ないのです。

私のオリジナル方法も、あくまであなたをサポートするためのものです。最終的には、自分自身で自分の不調を乗り越える必要があることは、重々肝に銘じておいてください。何だか大変そうと思うかもしれませんが、むしろ、こういった視点を持つことで、あなたは主体性を取り戻し、少しずつ回復へ向かっていくことができます。

あくまで、治すのは自分自身です。全ての療法は、その為のきかっけに過ぎません。世の中に存在する療法は、「他人にとっての不調から回復へと向かう”答え”」なのであって、「あなたにとっての不調から回復へと向かう”答え”」ではありません。

ですから、私の「主体的に人生を生きれば、自律神経が整い、心身の不調から回復へと向かう」という主張も、私にとっては”答え”ですが、あなたにとっての”答え”とは限らないのです。あくまで、あなたの回復への可能性を広げる為のものと考えて下さい。

世の中の療法を大いに参考にしつつも、あとは自分で自分への”答え”を創り出すぐらいに考えた方が、よほど希望が湧きませんか?そして、自分の人生を生きている感覚になってきませんか?

「でも、それじゃあどんな基準で、参考にする療法の取捨選択していけばいいの?」

と思うかもしれません。私の意見はこうです。

「ある特定の回復方法に対し、現状のあなたの最大限の知識、経験を総動員して、様々な角度からその有効性を分析し、取捨選択する」といいでしょう。もちろん、最大限とは、誰かに助言を求めることまでも含みます。ただし、何の回復方法を試してみるかは、最終的に自分の判断で決定するということです。

ですから、私のこの療法も、あなたの知識、経験を総動員して取り組むべきか判断していってください。

そのように、主体的に行動していけば、上手くいかなかったとしても、必ず次に繋がっていくはずです。あなたの中で、何かが変化しているはずです。そして、その積み重ねの先に、あなたにとっての”答え”が見つかるはずです。

《健康は、自分で創る回復メソッド》全体の流れについて

それでは、ここからは私なりの「心身の不調から回復へと向かう為の”答え”」をお伝えしていきます。ぜひ、あなたの”答え”を創るための血肉にして頂きたいと思います。

私の主張は、「主体的に人生を生きれば、自律神経が整い、心身の不調から回復へと向かう」というものです。ですから、「健康は、自分で創る式回復メソッド」とは、その主張を実現する為のやり方ということになります。

なるべく分かりやすいように、内容を4段階に分けております。そして、ご存じの通り、何事も新しいことを始める場合には、土台作りが肝心です。イメージは、ピラミッド建設です。巨大なピラミッドも、1段1段ブロックを積み上げていけば、いずれ完成します。基礎から着工して、天までそびえるようなあなたという巨大なピラミッドを建設していきましょう。

Step1から順番に取り組んでいくことで、頭の中が理路整然とし、ストレスなく従来の常識を破壊し、新しい概念を学べるようにしています。全てをクリアすれば、あなたは心身の不調から回復へと向かう為の大きなヒントを得ることが出来るでしょう。

一通り読み進めて頂くだけで、内容の概要は伝わるはずですが、全く新しい概念をお伝えしている為に、本質の理解までは中々至らない場合もあるかと思います。本文はあくまで、不調からの回復を目指し、あなたの人生をより謳歌して頂くことを目的としています。それには、頭で理解するのではなく、「腹落ち」させる必要があるのです。単なるインプットで終わってしまっては、根本的な解決にならないですから、疑問が沸けば何度も繰り返し読み、さらに日常を通して、「腹落ち」するまで繰り返し鍛錬をしていって下さい。

また、私、松岡との直接のセッションを行うことで、より効果的に学習を進めることも出来ます。万全のサポート体制を敷いておりますので、ご安心ください。

あなたの今までの常識が覆されるような、沢山の発見があるはずです。ぜひ、楽しみながら読み進め、そして実践してみて下さいね。

■《健康は、自分で創る回復メソッド》①不調から回復へと向かう為に必要な思考を学ぶ

♢人間とは、思い込みを取捨選択し、自分の人生を創造できる、どこまでも自由な存在

それでは、Step1の解説をしていきます。まずは「人間について理解する」ことで「主体的に人生を生きる」を実現する為の土台作りをしていきます。

「人間とは何か」

これは『トム・ソーヤーの冒険』の著者として知られるマーク・トウェインが、晩年に書き上げた本のタイトルです。(ディズニーランドにも、トムソーヤ島があるので、知っている方も多いでしょう)

人生に幻滅している老人は,青年に向かって,人間の自由意志を否定し,人間は完全に環境に支配されながら自己中心の欲望で動く機械にすぎないことを論証する。人間社会の理想と、現実に存在する利己心とを対置させつつ、マーク・トウェイン(1835-1910)はそのペシミスティックな人間観に読者をひきこんでゆく。当初匿名で発表された晩年の対話体評論。

この本では、終始人間には自由意志が無いものとしての論証が繰り返されます。この本が出版された当時は、この過激な内容に多くの批判があったそうです。ただ、現代では、人は環境の影響を受けることは広く知られていますから、私としては、確かに極端な内容ではあると思う反面、非常に的を得ているとも思うわけです。

ところで、私は、マーク・トウェインではないですが「人間とは何か」を自分なりに定義することは、「主体的に人生を生きる」上で、必要不可欠だと考えております。なぜならば「人間とは何なのか」ということをクリアにしておかないと、何をもって主体性とするのか?または、何を持って自分の人生を生きるとするのか?ということがイマイチ定まらないように思うからです。

これを今読んでいるあなたになら、頷いて貰えると思いますが、そもそも「自分にとっての主体的とは何なのか」「自分は何がしたいのか」、それらが明確に定まっていれば、そもそも不調にはなりにくいです。人生で何がやりたいかが本当の意味で定まっていれば、自律神経が乱れ続けることはないからです。(※自分をきちんと理解していれば、怒りや憎しみは溜まらない)つまり、「主体的に人生を生きる」ことを実現する為に、「自分は何がしたいのか」から考え始めるのは、根本的な解決にならないということです。

ですから、私は早い時点で「主体的に生きる」ことが不調からの脱出の鍵となることに、目星をつけてはいたものの、そこから先に進めずにおりました。ですが、マーク・トウェインの著書を読み、ヒントを得たことをきかっけに、「人間とは何か」を自分なりに定義するに至り、それが「主体的に人生を生きる」ことに結びついていったのです。

それでは、結論から言います。「人間とは何か」に対する私の回答

それは「人間とは、取捨選択した思い込みで自分の人生を創造できる、どこまでも自由な存在」これが私の答えです。

と言うのも、人間は、100人いれば、100通りの正義・考え方・価値観・世界観があるわけですが、これを一言で言い換えると「人は、自分の思い込みで生きている」ということに置き換えられるからです。

例えば、ここにAさんという方がいたとしましょう。Aさんは頭の中で

  • 「○○な道徳観、あるいは倫理観が正しい」と思い込んでいるから、Aさん独自の正義が生まれる。
  • 「○○な判断基準を持ったら上手くいく」と思い込んでいるから、Aさん独自の考えが生まれる。
  • 「○○な人生哲学で生きれば人生を楽しめる」と思い込んでいるから、Aさん独自の価値観が生まれる。
  • 「世界はこのようなものだ」と思い込んでいるから、Aさんの独自の世界観が生まれている。

それらの要素は、今まで出会ってきた人、人生経験、得た情報などの組み合わせですから、そのパターンは無限大。完璧に同じ思い込みで生きている人間は、存在しません。ですから、我々は生きているだけでオンリーワンなのです。

もう少し、抽象度を下げて具体的に解説していきます。

例えば、あなたが、サラリーマンとして会社に勤めるか、それとも自分で会社を興すかの2択で悩んでいたとしましょう。あなたなら、どちらの選択をしたら幸せになれると思いますか?考えてみてください。

大方の人は、サラリーマンは、安定性があるけど、会社のルールに従う必要がある。起業は、夢があるけどリスクが高い。このように考えると思います。もちろん、細かいことを言えば、条件によって話は変わってくるでしょうが、一般的にはそのような傾向があるのは事実でしょう。

ただし、実際にどちらを選択するかは、あなたの思い込み次第で変わります。「人生は一度きりだから、思いっきりチャレンジした方が良い」という価値観を持っていたら、あなたが起業を選択する確率は高まります。反対に、「人生は一度切りだから、貴重な毎日を楽しむ為にも、リスクは避けたほうが良い」という価値観を持っていたら、あなたが就職を選ぶ確率は高まるでしょう。

さらに、起業という選択をした後も、「起業することによる真の価値は、自分の努力次第で、人生を存分に謳歌出来るだけの所得を得られることにある」と思い込んでいるか、「起業することによる真の価値は、自分の創造した世界を他者と共有すること得られる充足感である」と思い込んでいるかによって、進んでいく方向性がまるで変わってきます。

そこに、どのような考え方、価値観が正しいということはありません。それぞれの思い込みが違うだけなのです。同様に「結婚した方がいいのか、独身の方がいいのか」などの結論も、その人の思い込み次第で変わりますし、それこそ性格も思い込み次第で変わります。よく子供には「成功体験を積ませることが大切」などと言われたりしますが、それは、成功体験を経験することで、「自分は出来る人間だ、自信を持っていい人間だ」と思い込むようになるからです。そうすることによって、何事にもポジティブな視点から物事に挑戦できるようになるということです。

基本的に、思い込みに良いも悪いもないのですが、あなたとの相性はあります。図らずしも、あなたの本来の資質にそぐわない思い込みがどこかのタイミングで埋め込まれた場合、あなたは自分の人生の舵取りが出来なくなり、それによるストレス(怒りや憎しみ)を心の奥底に溜めこむことになります。

例えば、まさに「他人に許された自分で生きなければならない」もしくは「他人の期待に答えなければいけない」などの”自分の人生を放棄しなければならない”という思い込みがそうです。さらに具体的に言うのであれば「親の期待に背いてはいけない」とか「自分には価値がない」など、いずれにせよあなたにとってマイナスとなる思い込みは存在します。

しかし、それらは真実ではなく、ただの思い込みです。ただし、我々、人間には、自分の思込んだ世界が全てであって、あたかも今の正義感、考え方、価値観、世界観が全てだと感じる特性があります。その結果、本当は思い込みで自分の人生をマイナス方向に創造しているというだけなのに、それに気づくことが出来ません。

そもそも、我々は、社会で生きているうちに、知らず知らずのうちに自らの視点のみで「正解」を決めつけてしまっています。それにより自分に不利だったり、不要な思い込みに捉われ、安易に他者批判に奔走し疲弊してしまいがちです。あなたの資質に合った思い込みは、あなたの人生をより創造的に、好ましいものにしてくれますが、あなたの資質にそぐわない思い込みは、あなたの人生をマイナス方向に創造していくのです。

それこそ、「私は運が良くて何をやっても上手く行く」というようなプラスとなる思い込みを持つことは、あなたの人生を上向かせることになるでしょう。問題となるのは、あなたが、あなたの本来の資質にそぐわない思い込みを抱えている場合なのです。ですから、もしあなたが、自分の生き方に何か違和感を感じるようであれば、一度自分がどんな思い込みに捉われているか考えてみる必要があります。

例えば、「本音を言ったら嫌われる」とか「楽をしてはいけない」とか「全部一人でやらなければいけない」などのナンセンスな思い込みがあるのかもしれません。思い込みは、無意識の中にあるから思い込みなのであって、中々それを発見することは難しいと思います。ですから、それを発見する為には自分の行動を振り返るとわかりやすいです。なぜか、いつも同じような失敗をする、どこかのタイミングで同じように人間関係が崩れる、などです。

ちなみに、先ほど例に挙げた「楽をしてはいけない」とか「全部一人でやらなければいけない」というのは、私がずっと無意識に抱えていた思い込みです。誰に言われるまでもなく、自分自身で勝手に自分を追い込み、そしてどこかでキャパオーバーになる、、そんな人生を繰り返していました。その思い込みは、サラリーマン時代もそうでしたし、整体師になっていからも中々抜けませんでした。整体師になってから、「ホームページの作成やら何やらを全て自分でやらなければいけない」という思い込みでテンパっていた時期がありますが、よく考えたらそれらは得意な人に教えて貰えばいいわけです。

しかし、「楽をしてはいけない」「全部一人でやらなければいけない」と思い込んでいるから自分で全部やろうとする。それが知らず知らずにストレスとなり交感神経の過剰な働きに繋がっていた時期があります。体調は最悪で、また前のような不調に陥るのではなないかと恐怖すら感じました。この経験で気づいたことは、「楽をしてはいけない」「全部一人でやらなければいけない」という思い込みは、私にとっては全く不要な思い込みであり、人生のどこかで植えつけられたこの本来の自分の資質にそぐわない思い込みを解消する必要がありました。

本来は、苦手な部分は他人を頼ってどんどん楽をして、自分が力を入れるべきところに注力すればよかったわけです。もちろん、楽をすべきでないところ、力をいれるべき部分はあります。ただし、自分でやりたいと思っている部分は、主体的に取り組めるのでストレスもさほどかかりません。

自分の本来の資質にそぐわない思い込みは、あなたの人生を破壊します。それこそ「人生はつらく苦しいものだ」という思い込みがあったら、どんな人生になるのか、、、考えるだけでも恐ろしいですよね。

ただし、ここで一つ注意点があります。先ほどの「楽をしてはいけない」「全部一人でやらなければならない」という思い込みは、私にとってはマイナスな思い込みであるというだけで、他の人にとっては自分の人生を向上させる思い込みかもしれないということです。もっとも、その場合は「楽を選ばないことが、成功への近道だ」とか「一人でもやることに意義がある」などの言葉に置き換わると思います。

2章の「完璧な療法は存在しない。自分に向きあい続けることが大切」の内容を常に頭に入れて置いて下さい。

あくまで、治すのは自分自身です。全ての回復方法は、その為のきかっけに過ぎません。世の中に存在する療法は、「他人にとっての”答え”」なのであって「あなたにとっての”答え”」ではありません。

同様に、どんな思い込みがあなたにとって望ましいのかは、あなた自身で見つけていく他ないのです。

そして、これらの不要な思込みが解消されてくるとあなたの物事の捉え方に変化が生じます。例えば、あなたが「挑戦することはリスクを負う事であり、やってはいけない」と心の底で思い込んでいたとします。もし、そういった思い込みがあれば、あなたはその思い込みに沿って人生を創造していきますから、何か新しいことに意欲的に挑戦することが難しいでしょう。ただし、この思い込みが、本来の自分の資質にそぐわないと気付けば、あなたにはその思い込みから解放され、不要なブレーキが外れ、意欲的に活動できるようになります。

ですから、あなたにとっての「主体的に人生を生きる」を実現するには、本来の自分の資質にそぐわない思い込みを解消し、あなたの資質にあった思い込みを取捨選択していけばいいということになります。具体的なやり方や、思い込みについてのより詳しい解説は、実践編で詳しくお伝えしていきますので、ご安心ください。

ですから、ここではまず、思い込みの威力について、しっかりと認識しておいて下さい。

♢思い込みをゆるーく固めていくと楽になる

人間の考えは、若い時ほど大きな波があり、年齢を重ねるほどその波が小さくなってきます。その波が大きいということは、考え方がコロコロ変わるということです。もちろん、それが一概に悪いわけではありませんが、それが自律神経の乱れに繋がっているのも事実です。

ですから、これは本当にゆっくりでいいのですが、自分にとっての「マッチした思い込み(正義、考え方、価値観、世界観)」をゆるーく徐々に見つけていきましょう。我々は皆、一人ではなく、相互に助け合って生きています。それは言い換えれば、お互いに影響を与え合っているということです。ですから、あなたの考えは、あなたが今まで出会った人や読んだ本、人生で得た経験から成り立っています。そして、これからもアップデートされ続けることでしょう。しかし、毎回誰かに、もしくは世間に大きく影響され続けるというのは存外しんどいものです。

100人いれば、100通りの正義があるわけですから、大前提として正解の考え方、生き方なんてものはないということです。それに、その人にどんなポリシーがあるかなんてことは、外から見ていてもわかりません。他人の表層部分だけを見て、あれやこれやと都度振り回されていては、思考はバラバラになり、そのストレスにより自律神経は一向に整いません。ですから、人に出会って気づきを得て、学びを得ることは大切だと思う反面、出会う度に影響され過ぎると、気が休まらないという事態に陥ります。そうなってくると、人に会うことそのものが、億劫になってしまうこともあるでしょう。

ですから、人との出会いを通して、徐々に自分自身を固めていく。正解がない世界で、自分なりの正解を、自分なりの正義を、自分なりの満足した人生を送る為の方針を、ぼんやりとでもいいから固めていく。自分は、どんな人生にしたいのかを感じてみる。固めて身動きが取れなくなってはいけない、でも全く羅針盤がないと混乱してしまう。少しづつでいいから、自分を成長させていく。全ては、「自分なり」でいいんです。

そもそも、私は人間に「本当にやりたいこと」とか「これじゃなきゃ絶対ダメ」とか「心の底からの本音」なんてものはいきなり備わっているものではないと思っています。そういったものは、絶対的なものではなくて、常に波にたゆたう木の葉のように、ゆらゆらと揺れ動いている方が自然じゃないでしょうか。そのうえで、人生をすすめていくうちに、自分なりの揺れ方がわかってくるということなのだと考えています。

私も、以前は、色々なものに影響され、その度に大きく揺れ動く自分がいました。そこから多くの人と触れ合うことで、自分自身の生きる方針が徐々に定まってきました。あなたの資質に合った思い込みを少しづつ選択していくことができれば、あなただけの人生が創造されていき、自分の人生により熱中出来るようになるのではないでしょうか。そして、それはあなたの不調から回復へと向かうことと、密接に関わっているのです。

♢不調から回復へと向かう為に、変えなければならない思い込み

さて、思い込みで人間の人生は大きく変わることは、先ほど解説しました。ここでは、不調から回復へと向かう為に、必ず変えて欲しい思い込みについて話していきたいと思います。

本文の最初の導入で、世の中には「○○すれば、治る」とか「○○を飲むだけで、体調が良くなる」などのフレーズが溢れおり、「私はそのような手法を使う人が嫌いです」と申し上げました。もちろん、実際に治る人もいるでしょうから、それが嘘だとは言いません。ですが、多くの不調者にとってそれらの言葉は、マイナスな思い込みをもたらします。

それは以下の2つの思い込みです。1つ目は「不調は、何かのきっかけによってすぐに良くなる」という思い込み、2つ目は「一方的な外的な要因によって、不調は良くなる」という思い込みです。順番に解説していきます。

なぜ「不調は、何かのきっかけによってすぐに良くなる」という思い込みが、不調者にとってマイナスとなるのでしょうか?それは、長期的な慢性症状がある場合、何か一つのアクションで、不調が一気に改善することは少ないからです。具体的な数値はわかりませんが、100人いたら、2人とか3人じゃないでしょうか。一時、改善する人はそれよりももっと多いとは思いますが、それでも再発する人がほとんどでしょう。

ですから、ほとんどの人にとって「○○するだけで、すぐに良くなる」という思い込みを持つことは、実情と乖離した状態を作ります。心が希望から絶望に変わった時に、人は、大きく生きる意欲を失います。従って「不調は、何かのきっかけによってすぐに良くなる」という思い込みを持ってしまうと、永遠とそのようなメソッドを探し求め続けるという負のループが始まります。しかし、実際にそう都合よくはいきませんから、希望から絶望へとその都度叩き落されることになり、その度に「もう治らない」という思い込みを強化することになります。

私の考えは、全くの反対です。不調は、様々な試みをしていく中で、徐々に回復へと向かっていきます。自分の経験を踏まえても、何か一つのきっかけで治るとは思えません。私が不調から回復したきっかけは、それこそ「主体的に人生を生きる」ことの重要性に気づいたからですが、そもそもそこに気づくまでも様々な療法、様々な考え方に触れたから辿り着いたわけです。ですから、何かのきっかけが最終的なトリガーとなって、不調から一気に回復することはありますが、その結果は、そこに至るまでの過程が積み重なって起こったことです。何か一つの解決策だけで、改善したわけではありません。誰かに掛けて貰った言葉が、何年か後に自分を立ち直らさせるきっかけとなることだってあります。

もっと、長いスパンで考えてください。一般的な傾向として、我々は、何かの成果を挙げたいと考えた時に、短期的に考えてしまい「すぐに結果が出る」と期待し過ぎる傾向があります。そのため、成果が出ないとすぐに挑戦することを辞めてしまうということになります。ですから、常に、チャレンジし続けることが重要です。これは、不調から回復へと向かう為に、最も大切なマインドの一つです。まずは、短期的にではなく長期的に、そして期待値を適切にコントロールしながら、不調に向かい続ける必要があるのです。

もちろん、「不調からの回復に大きな希望を持つのはやめましょう」と言っているわけでありません。そもそも、反対に、人には「長期的な期待値が低すぎる」という特徴もあります。人の可能性は無限大です。長期的には、もっと自分に期待していいのです。まずは、「不調は、何かのきっかけによってすぐに良くなる」という思込みを解消し、確実に不調から回復へと向かう為に出来ることを一つ一つ積み重ねていきましょう。そして、「必ず不調は回復していくんだ」とう思い込みを選択して下さい。

それでは次に、なぜ「一方的な外的な要因によって、不調は良くなる」という思い込みが、不調者にとってマイナスとなるのでしょうか?それは、外的な要因に過度に期待することは、反応的な態度だからです。反応的な態度というのは、周囲に流されているということです。周囲に流されているというのは、例えば、ただ言われた通りにサプリを飲んだり、もしくは整体院で施術を受けるだけ、という状態です。不調から回復へと向かう為には、自分なりに”答え”を創り出す必要がありますから、一方的に外的な要因に依存するというのは、本質からズレてしまいます。

もちろん、外的な手助けは大いに役立ちます。自分で自分なりの”答え”を探す為に、世の中にある様々な選択肢を利用することは問題ありません。それは主体に行動している証拠でもあります。ただし、それだけに頼るのではなく、「あなたの健康は、あなた自身で創る」というように、認識を変えてください。其のうえで、世にある様々な療法を組み合わせ、オリジナルの”答え”に辿り着けばいいわけです。

  

最後に、心身の不調から回復することは、時間を掛けてでも、手に入れる価値があるものなはずです。私事でいえば、自分の不調をある程度回復させる為に、19年もの歳月を費やしています。ただし、挑戦を続けた価値は間違いなくありました。それは、あなたにとっても同じでしょう。焦らずに、本文を何度も繰り返し読み、「腹落ち」するまで繰り返し学習して下さい。必ず、あなたの不調からの回復に役立つヒントとなるはずです。

♢世の中に正解はない

引き続き、重要な思考整理のポイントです。

それは「世の中に正解はない」と認識することです。

10人十色と言うように、考え方は、人それぞれで違っていいのです。言い換えるならば、「絶対は絶対にない」といういことです。何が正義で、何が悪なのかは立場で変わるものだし、時代によっても世論は変化します。そもそも正解があると思っている方がナンセンスと言えます。世の中には人の数だけ正義がありますので、それら全てに「正しい」とか「間違っている」などと反応していては、自律神経が整うはずもありません。他人と意見が合わず、それらの人間関係でストレスを貯めてしまい、脳疲労を起こす人が多いです。そのイライラした感情が交感神経が過度に働くきっかけとなり、不調の回復を阻害します。多くの場合、どちらが正しいかは、気にしても仕方がありません。

それこそ、人それぞれで、正義に対する思い込みが違うわけです。こちらにその気がなくとも、安易に正義論を交わすことは、相手の思い込みを否定することにもなり兼ねません。場合によっては、人格否定と捉えられる恐れもあります。

「正しい」とか「間違っている」ということに拘って、過度に反応してしまうということは、周囲に振り回されているということです。不調から回復する為には「主体的に人生を生きること」が大切ですから、何が正しいか論争に拘り過ぎてしまうと、自分で自分を破壊することになります。

そうではなくて、好きか嫌いかで判断していきましょう。嫌いだったら嫌いではっきりと言って、それ以上に形式ばった理論づけする必要はないのではないでしょうか。好きか嫌いかを判断するのは主体的な行為だから良いのです。

そうは言っても「自分の意見が否定されるとつらくなる」とか「相手の考えに納得できなくてイライラする」と日常で憤りを感じるシーンはあるでしょう。その場合は、正義の押し付け合いをするのではなく「意見交換」をしていると考えてください。正義の押し付け合いをしてしまうと、自分では気づいていなくても心の奥底で相手に対して怒りや憎しみを抱きます。そして、その憎しみや怒りはあなたの知らないところで自律神経へ大きな悪影響を及ぼします。

ですから、自分を守る意味でも、ヒートアップしそうになったら「意見交換」というキーワードを思い出して冷静になって下さい。自分の意見を言うのが苦手な方も、意見交換だと思えば話しやすくなるはずです。意見が合わなければ、「あの人はこのように思うんだ。でも、私はそうは思わないな」とそっと心の中で呟きましょう。ただし、世の中には、自分の考えが絶対的に正しいと思い込んでいる人がいます。そういった人は、自分の偏った考え方をゴリゴリ押し付けてきますので、非常に疲れます。そういった人とは無理に分かり合おうとしないで、距離を置くのも一つの手段でしょう。

ただし、「何が正しいか」を決める必要がある場合もあります。それは「同じ目的」を共有している場合です。例えば、会社で何かのプロジェクトの担当になってチームを組んだとします。その場合は、そのプロジェクトには目標となるゴールが存在するわけです。ゴールが存在する以上、「目的を達成する為に、何が正しいのか」を考えていくことになります。ですから、こういった場合は、例外です。ただし、そのような場面でも、人それぞれで考えは違っていて当たり前なわけです。あくまで「同じ目的」を共有している場合に限り、そのプロジェクトチーム内において、最終的に「正解と思われる答え」を出す必要がある、”だから”、その答えには従う必要があるというだけです。もちろん、有意義な議論をする上で、まずは「意見交換」が大切になるのではないでしょうか。

♢完治することを基準にしない

私は、今まさにあなたにお伝えしているこの回復方法で、不調の9割程度が良くなりました。ただし、未だに頭痛に悩まされることはあります。

「それじゃあ、治ってないじゃない?」と思う方もいるかもしれませんが、私はこれで十分だと思ってます。そもそも、生きていく上で何もかもが順風満帆なはずがないと思うのです。酷かった時代から、9割も良くなれば、それはもう治ってるというのが私の考えです。

中には、9割のつらさが解消しても、残り1割つらさが残っていると、自分は不調者だと思い込む方もいます。もちろん、それ自体を否定するつもりはありません。どの程度のつらさなのか、どのぐらいの頻度でその症状は発生するのかも含めて、不調をどのように定義するかは、人それぞれ違っていいのです。反対に、大きな障害や病気を抱えていても、自分の定義では健康だったらそれは健康と言えるのではないでしょうか。

これは、何も無理にポジティブに考えてやせ我慢をしましょうと言っているわけではありません。そのぐらい、主体的に物事を考えて、自分という人間について、正しく理解していくことが大切だと思うのです。ほとんど良くなっているのに、本当は今の状態に満足しているのに、それに気づかない方は沢山います。

私は、当サロンにお越しになったクライアント様には、基準として症状のつらさと心理的なつらさに区分して、10段階で自己評価をしてもらいます。10が耐えられない症状のつらさ、心理的なつらさだとしたら、1は少し気になる程度ぐらいの症状、心の引っ掛かりとなります。目標は、この区分を少しづつ下げていくことです。あくまで、大切なのは回復へと向かっている小さなサインに気づくことです。

不調の回復に関わらず、何事も1か0で考えてしまうと、焦燥感に駆られてばかりで気が休まりませんし、自律神経の乱れにも繋がります。落ち着いて、今の自分を基準にして、少しづつ変化していくことに喜びを感じられるといいと思います。

東洋医学では、心身一如という考え方があります。これは、心と身体は繋がっており、心と身体は表裏一体でどちらかに不調が出るともう一方にも影響があるというものです。私も、もちろんその通りだと思います。ただし、実際には、「健康は、自分で創る回復メソッド」では、身体の負担レベルは変わらなくても、心の負担レベルは下がってくることは多いです。思考技術によって、頭の中が整理されてくると、体調のつらさがあっても落ち着いた心理状態でいられるようになるからです。そして、心に余力が生まれた結果、身体の不調も改善されていくことになります。ですから、思考整理技術はとても大切なのです。

■《健康は、自分で創る回復メソッド》②不調から回復へと向かう為に必要な知識を学ぶ

♢自律神経の乱れと不調との関連性について

「なぜ、不調が治らないのだろうか?」とか「なぜ、不調の原因が特定できないのか?」とか「そもそも、自律神経って何?」など多くの疑問をお持ちだと思います。この章では、そういった気掛かりなこと全般について、解説していきます。不調から回復へと向かう為に、必要な知識を抑えるようにして下さい。

最初に、自律神経について解説します。

自律神経とは私たちの生命そのものをつかさどっています。血流、血圧、心拍数、呼吸、発汗、消化など全て自律神経が関係しています。つまり自律神経がなんからの原因で上手く働かなくなれば生物としての生きる力が弱まるということです。とりわけ現代人は驚くほどにこの自律神経が乱れ、働きが弱くなっている人が多いです。そして自律神経の働きが悪くなると”人に備わっているはずのある能力”を大きく低下させます。それが「自然治癒力」です。

これまで「自分の押し殺してきた感情で、不調になるなんて信じられない」とか「筋肉に異常があるから、首や肩こりが酷いんじゃないの?」と疑問があったと思います。もちろん、日常生活の負担が原因となり頭痛や、首、肩こりなどは起こります。ただし、何か交通事故やスポーツなどで大きな怪我をして後遺症があるなどの場合を除けば、それらは本来、自然治癒力によって、自然と治っていくのです。

人は本来強力な治癒力を備えています。この自然治癒力があるおかげで我々は病気になってもウイルスを撃退し、ケガをしてもキズが塞がります。ほとんどの病気やケガはこの自然治癒力を持ってすれば勝手に治っていくものなのです。しかし自律神経の働きが弱くなったらどうでしょうか。発揮すべき治癒力が低下することになり生物として弱体化していきます。そういったことが発端となり様々な不調が起こるのです。

慢性的な肩こり、首の痛み、頭痛、めまい、メニエール病、自律神経失調症、うつ、パニック症候群、無気力、体のだるさ、パニック症候群、起立性調節障害、不安感、焦燥感、孤独感、その他様々な不調は、本来は、自律神経が整い、自然治癒力が発揮されれば治ってしまいます。ですから、私の方針はこの自律神経の働きを整えることにより、人が本来備えている治癒力を回復させることにあります。

自律神経は交感神経と副交感神経にわかれます。交感神経は、循環、生殖、大脳、排泄に関わっています。交感神経は日中に活発に働き、やる気や元気、集中力をもたらします。反対に言えば、やる気がでない、集中力がないとなればそれは交感神経の働きの悪さが原因です。交感神経は、「闘争か逃走」と表現されるように、戦う時、もしくは逃走するときなど命に危機が迫っているなどのストレスがかかるとき、最大限に働きます。ですからもし、あなたの身体や心がストレスを感じることがあればそれは交感神経が働いているということです。そして、交感神経の働きとして心臓がドキドキしたり、もしくは胃の働きを抑えたり、もしくは戦う為に全身の筋肉を緊張させたりするわけです。

もちろん命の危機が迫っている状況でリラックスしてるわけにはいきませんから、そういった場面ではそれが正常ということです。ただし、あなたが、あなたの資質にそぐわない思い込み持っていると、怒りや憎しみが心の奥底に溜まっていき、あなたの交感神経はずっと「闘争と逃走」と同じ状態になり体の内臓や筋肉に過緊張をもたらし続けます。つまり、オートで常に「闘争か逃走」の状態にスイッチが入り続けてしまうということです。

つまり、24時間ずっと闘争状態なわけですから、交感神経と副交感神経のスイッチングが上手く機能しなくなり様々な不調になる、その上、自律神経が正しく機能していないことにより自然治癒力が低下し、病気になったり、またその病気から中々回復できないという状態となります。ですから、あなたの資質に合っていない思い込みを解消することは、不調から回復する上で非常に大切になります。

副交感神経は、消化器、呼吸、副腎に関わっています。副交感神経は主に夜に働きます。心身を休憩モードへ切り替え、心をリラックスさせてくれます。夜寝る時は副交感神経へ切り替えが起こることが自然ですが、副交感神経の上手く働いていないと気持ちが落ち着かなかったり、夜眠れなかったりといった問題が発生します。

例えば、夜中にトイレで起きることも、寝ている状態なのに交感神経が働いている結果です。本来、人は副交感神経が優位になっている状態で睡眠していれば、尿意を催しません。交感神経の乱れによって、夜中にトイレで起きてしまうのです。「朝起きても、昨日の疲れが全く取れていない」このようなお悩みを持っている方は多いですが、交感神経と副交感神経のスイッチングが上手くいっていないわけですから、当然の結果ということになります。ここまでで、自律神経の乱れが不調に大きく関係していることがわかっていただけたと思います。

♢不調は自分で創っているという現実と向き合う

早速ですが、このようなお悩みはありませんか?

「落ち着いた性格とよく言われるけど、心の中はいつも暴風雨が吹き荒れている」

「人付き合いが良いと思われているけど、本当は一人が楽」

「注目を浴びるのが苦手だけど、自分の世界では輝く」

「会社での評価が気になり、身体を壊してまで仕事を頑張ってしまう」

「嫌われるのが怖くて、本音で話せない」

「他の人が楽しんでいる時も、なんとなく孤独を感じる」

「家族といても友達といても、なんとなく周囲が敵に感じる」

もし、あなたがそのような状態でしたらば、自律神経を乱しやすい人です。自律神経を乱しやすい人の特徴に、自分の感情を抑圧するというものがあります。

そもそも、事の起こりはこのようなものです。あなたは人生のどこかで外部から破壊的なメッセージを受け取りました。そこであなたは、本来の自分であることを捨てて人生を送る決断をしたのです。人間の本質は、依存性と無力感です。そこにあがらう術ありません。

例えば、幼児期の無力なあなたは、誰かに依存しなければ生きていけません。生きるために親に気に入られようとして、自分の怒りや憎しみなどの負の感情を抑圧して生きていく術を学んだのかもしれません。本当は、親が憎いと感じていても、それでは、そのコミニティーでは生きていけません。だから、親を無理に好きだと思い込む。それが生きる為には必要なことだったからです。そしてそれを続けるうちに、本当の自分の感情ではなく、偽物の感情で生きることに慣れてしまった。本当の感情は、無意識下に追いやり、偽物の感情の自分が、まるで自分自身であると思い込むようになります。

これは一つの例ですが、いずれにせよ、あなたは本来の自分ではなく、「他人に許される自分でなくてはいけない」と思い込むようになりました。しかし、その思い込みこそ、あなたを苦しめている原因なのです。自分を押し殺して生きてきた代償は大きく、心の底に憎しみや怒りが溜まっていきます。そして、その憎しみや怒りが交感神経の異常をもたらし、心身に次々とトラブルを引き起こすのです。

つまり、自分の思い込みによって、自分で不調を創りだしているということです。

♢個人差があるから、検査で異常なしでも不調になることは不思議ではない

「あっちこっちの病院を巡ってみたけど、不調の原因がわからない」

とてもつらいですよね。

「これだけ現代医学が進歩しているのに、原因が見つからないのはおかしい」と不思議に思う方も、当然いるでしょう。ここで、認識して頂きたいことは、現代医学がどれだけ進歩しようが、人間の身体を完全に検査できるわけではないし、そもそも我々には個体差があるということです。

例えば、血液検査で身体の各種栄養素や赤血球や白血球の数を数値化したときに、問題がなかったとします。しかし、それはあくまで平均の範囲内に数値があったというだけです。実際には、人それぞれで適正値は違うわけですから、数値が範囲外にあってもなんら不調が出ないこともあれば、数値が適正値であったとしても、不調が出ることはあるということです。

同様に、消化器官の強さにも個人差がありますから、「痩せすぎているからもっと食べなくてはいけない」というのも間違いです。痩せすぎていても胃に負担が掛かっていて食べ過ぎな人もいますし、体格が立派でもなんら食べ過ぎには該当しない人もいるということです。このように個人差があるということは、不調から回復する上で、特に意識して欲しいところです。私が、自分で不調から回復へと向かう為の回答を創り上げることの重要性を繰り返しお伝えしている理由の一つは、こういった個人差に着目しているからです。

もちろん、心の状態も違うわけです。それこそ、表向きの目標は同じであったとしても、実際の動機は全然違かったりします。

例えば、医師家庭で親から医師になるための熱心な教育を受けている子供がいたとします。実はその子供には、本当は別の夢がありました。サッカー選手になりたかったのです。しかし、家庭環境は、それを赦しません。そうすると子供は「医師にならなければ、親に愛されない。自分の夢を親に話してはこの家では生きていけない」と自然と考えるようになります。ですが、そういった考えが頭にあったら、両親に育てられている現状の環境においては、足枷になりますから、無意識下に本当の感情を追放します。そして、自分の夢は「医者になること」であると、表層意識では考えるようになるのです。

無意識下に追放した感情は、消えるわけではありませんから、表層意識と無意識下で、深刻な感情の乖離が起きます。いわゆる自分の本当の感情を抑制し「他人に許された人生を生きている」状態ということです。もちろん、こういったことにより、心の底に憎しみや怒りが溜まっていき、交感神経の異常をもたらし、心身に不調を引き起こすことがあるわけです。

ただし、もちろんそのようなことは検査では発見できません。

ですから、病院の検査で異常が無かったからと言って、それは特段おかしなことではありません。大切なのは、自分自身で、自分の不調の原因を追究していくことです。

♢不調の原因を広げて考えすぎてはいけない

「何年も治らなかった不調が、自分軸を創造することで、治るわけがない、信じられるわけないでしょ」「もう散々色々やってダメだったんだからもう諦めてるよ」このように思うかもしれません。

それも当然でしょう。私も不調が長年続きました。病院へ行っても何の問題もないのに不調は続くわけですから、「もしかして、自分が呪われているからずっと不調なのではないか?」と散々疑ったものです。しかし、実際はそんなことはありませんでした。時間は掛かりましたが、長年の戦いの結果、9割方、不調から回復することが出来ました。

どこに不調の原因があるのかと、躍起になり、沢山遠回りもしました。例えば、ある時期は現実から目を背け哲学書に読みふけり、この世の真実を解き明かそうとしました。その結果、この世はあのキアヌ・リーヴスが主演したマトリックスのようにこの世は、仮想空間であるとか、そもそも宇宙とはなんぞやとかこの世は魂だけで出来ている、、など思考が行き過ぎてしまい結局頭が混乱しただけでした。それに、そういった本を読んでいるとどんどん現実と乖離が生じてしまいます。結果的に、不安が不安を呼んで収拾がつかなくなっただけでした。

ですから、私自身は、そのような寄り道は必要ないと考えています。それは、私がいたずらに時間を費やした経験を、あなたにはして欲しくないからです。ただし、あなたにとっての、不調を回復させる回答がそこにある可能性も否定できません。

ですから、あくまで次の結論は、私の個人的な見解だと思ってください。私の結論は「あなたの不調の原因は、あなたの身体と心にあります。その範囲以外のことを考えるのは頭が混乱する要因になりますので、オススメ致しません」

ただし、大前提として病院ではしっかりと検査を受けてください。この文章はどこの病院へ行っても治らなかった人を対象にしております。言い換えれば病院の検査で何の異常もないのに不調が治らない時、不調の原因を取り除くことが私の専門領域ということになります。

何かの病気であるなどの内科的な問題があれば、まずはそちらを優先して対処が必要です。健康診断はもちろんのこと、その他にご自身の症状に合わせて専門のクリニックを受診することも必要でしょう。私も頭痛クリニックや睡眠外来での脳波測定、その他にも低血糖症の5時間糖負荷検査などありとあらゆる検査を受けてきました。そういった検査で大きな問題があればまずはそちらへの対処が優先されます。

♢薬は、あくまで対処療法

また皆さんの中には既に、病院で検査してなんからの診断を受けて薬を処方されている方もいると思います。「薬を飲むのを辞めたい」「副作用がつらい」このように思っている方もいるかもしれません。焦る気持ちはわかりますが、落ち着いて、お医者さんと相談しながら徐々に服薬を減らしていけばいいのではないでしょうか。ただ、それとは別に根本原因を解消しようと努めることは非常に大切なことだとも思います。

なぜならば現代医学は対処療法がもっぱら主流になっているという事実があります。何かの症状があった際、症状を消すために強力な薬剤を使用する薬物療法は、手っ取り早く不調を治す為の手段のように思えますが、それはあくまで対処にしか過ぎず、根本原因を取り除いているわけではございません。薬物を使用すれば当然副作用も発生しますし薬で症状を一時押さえているだけですから薬をずっと飲み続けなければなりません。また、その薬の副作用を抑えるために新たな薬を処方されるといった例も沢山あります。もちろん、薬が必要ないということではございません。ただし目の前の症状を抑え込むだけでは、あなたが望む本当の心身の健康を得られないことも、理解する必要があります。

そのためにまずは、落ち着いて長期的なスパンで考えて不調を治していく意識に切り替えて下さい。

♢心に過大な負荷がかかるアプローチは、慎重にすべき

ここまでは理解したけど「どうやって自分の不要な思い込みから脱却するの?」とか「自律神経を整えるには、心の問題を解決するしかないのでは?もしかし、過去のトラウマや嫌なことを思い出さないといけないの?」などと不安に思うかもしれません。

確かに、過去に遡って心の問題を解消する方法もあります。ただし、それには大きな痛みが付き纏いますし、あなたに過大な負荷がかかります。 私は、過去の問題を掘り起こすようなアプローチには、慎重になった方がいいと考えております。

確かに、心理学的アプローチの中には、自分の過去を徹底的に検証し、無意識下に追放した感情を自己に統合するようにして問題を解決していく方法もあります。しかし、いくら理論的には正しくても、現実的に3つの問題があると考えております。

1つ目は、「過去の出来事は変わらない」そして「過去を完璧に掘り起こすことなどそもそも不可能」だからです。皆さんの年齢にもよりますが、何十年前も前の出来事を正しく記憶するように脳はできておりません。脳は非常にいい加減なのです。ですから、やや極端な言い方をすれば、過去に目を向けることは、過去の妄想に捉われてしまうということになります。

2つ目は、過去の問題に目を向けることに注力するクセをつけると、何か良くないことがあった時に、度々意識がマイナスに引っ張られてしまうからです。我々が生きている限り問題は次々と起こりますし、ストレスもゼロにはなりません。ですから、常に前を向いて前進することが非常に大切なのであって、後ろを振り返る行為はどんどん現実と乖離していくことになります。

そして3つ目ですが、「人生は有限である」ということです。もし我々の人生が1000年続くとたら、過去の問題を振り返る時間もあるかもしれません。ですが、我々の一生はそれよりも遥かに短く、それでは人生が勿体ないと思うのです。それこそ「主体的に人生を生きる」ことが最優先だと思います。過去の掘り下げは、何年も、何十年もかかる場合がありますし、心に大きな負荷がかかります。

とはいえ、徹底的に心理学を追求していくことによって、自身の思い込みから脱出する人もいますから、一つの方法ではあります

しかし、そこには大きな危険が付き纏います。私自身も、過去を振り返ることで頭の中がグルグルと回ってしまい、「このまま戻ってこれないのではないか?」と思うことさえありました。これは、私自身が経験したことだから皆さんにお伝えできることです。私としては、他に手が無くなった時の最終手段と考えていますから、まずは安易に深入りしないことをオススメ致します。どうしても、必要な時にアプローチをするというのが、現状の私の考えです。

♢脳科学の観点から自律神経を整える

ここからは、脳へアプローチして、自律神経を整える方法について解説していきます。

脳には偏桃体と呼ばれる部位があり、偏桃体は、物事に致して「快」か「不快」の2択の反応を示します。 「快」の状態とは、あなたが「心地よい、気持ちい、楽しい、安らぐ」などの状態と考えて下さい。反対に「不快」とは「イライラする、憎い、悲しい、寂しい」などの状態の時です。言い換えれば、「自分の人生を生きている」ときに偏桃体のベースは「快」になります。もちろん、日常生活においてストレスはゼロにはなりませんから、「不快」のスイッチが入ることはあります。しかし、それはあくまで現実に即した反応で、時折「不快」にスイッチが入ることは極自然なことです。

問題は、あなたが、あなたの資質にそぐわない思い込みに縛られ、心の奥底に絶望的な感情が溜まることにより、脳の偏桃体が「不快」にスイッチが入ったままになること。そして、これは「闘争と逃走」と同じレベルの緊張状態をあなたにもたらしますので、あなたの交感神経が刺激され、体の内臓や筋肉に過緊張をもたらし続けます。そして、それが不調になって出てくるのです。

例えば、先に挙げた過去の問題を掘り起こすことは「不快」の状態に自ら飛び込むようなものです。短時間なら良いですが、例えば心理学にドハマりしてしまい、グルグルと考えすぎてしまうとずっと偏桃体が「不快」な状態にあるといういことです。まさに、不安が不安を呼び込んでいる状態です。それは、自律神経の乱れを引き起こします。

ですから、なるべく物事をシンプルに捉えて「脳」の偏桃体を「快」にスイッチングするように思考と行動をしていくことが大切です。そして、そのために大切なのが「ワクワクする方を選ぶ」ということなのです。「ワクワクする方を選ぶ」ということは、主体的な行動であり「自らの人生を生きる」ことです。

難しく考える必要はありません。物事を複雑に考えて偏桃体のスイッチを「不快」に入れるよりも、ワクワクする方を選ぶだけ。それだけで、あなたにとっての不要な思い込みは自然と解除され、絶望的な感情はどんどん消えていきます。ワクワクする方を選んで行動をしていくうちに、自分自身の不要な思い込みにどんどん気が付いてくことでしょう。

ここで、あなたに質問です。

  • あなたの夢は何ですか?
  • あなたが今やりたいことは何ですか?
  • あなたが一緒に居たらホッとする人は誰ですか?
  • あなたが今、熱中していることは何ですか?
  • あなたが楽しくて堪らなくなる瞬間はいつですか?

上記の質問にサッと答えられるようであれば、あなたの不調はもう回復間近です。自分の好きが答えられるというのは、人生に対する主体性がなければ出来ない事だからです。これからも、どんどん主体的に行動出来る範囲と時間を増やして行って下さい。

そうは言っても「やりたいことなんかないし」とか「体調が悪くてそれどころじゃない」とか「明日が不安で眠れない」と思うかもしれません。焦らなくて大丈夫です。だったら「今日だけ楽しんで生きる」と決めてください。一歩ずつでいいんです。深く悩み深刻に考えることは、脳の偏桃体を「不快」のスイッチに入れるということです。良いも悪いもなく「今日だけ楽しく楽に生きる」でいいんです。シンプルに考えて、なるべくフィーリングに任せて決断していきましょう。

本当は、もっとバカになって人生楽しむぐらいが丁度いいのではないかと私は思うのです。もちろん、徹底的に論理論を重視して考える傾向が強いと、リスクを避けるようになりますから、失敗は減るでしょう。ただし、それと引き換えに、人生をつまらなくしてしまって、健康を失っては元も子もありませんよね。それに、人生はたった一度切りですから楽しまないと勿体ないじゃないですか。私自身も、もっと色々と自分の枠を取っ払ってチャレンジしていきたいと思ってます。

ここで、理論脳を強制的に取っ払う方法を一つお伝えします。それは、ひたすら走ることです。ただ、ひたすら限界まで走る。たったこれだけで理論脳から脱却できます。限界まで走っていればわかりますが、イチイチ小難しいことを考えている余裕なんてなくなります。ただ目の前の一歩を踏み出すだけで精一杯になるからです。明日の不安や、心に溜まっている怒りや憎しみに目を向けている場合ではないのです。この時、あなたは目の前の今、この瞬間だけを生きています。「過去でも未来でもなく、今この瞬間を生きる」これ以上に、心地よい瞬間はないと私は思っています。

そして、このような感覚になったら上手くいっています。「確かに、走るのはつらいけど、なんだか心地よい感じがする」この状態は、理論脳ではなく、直感脳が優位になっています。そして、走り終わってしばらくの間、あなたは心地よい体の疲れとともに、直感脳が優位になっている状態を体感できるでしょう。そのような時、間違いなく、偏桃体のスイッチは「快」に入っていることでしょう。

上記は、一つの例です。膝痛や腰痛の症状がある方は、絶対に無理をしてはいけません。マラソンは、かなり強度が高い運動ですから、エアロバイクなどの方が負担は少ないでしょう。走ること以外でも、もちろん大丈夫です。踏み台昇降なども、家で出来るのでお勧めです。もちろん、自然豊かな森林の中をウォーキングしてみたり、映画に没入したり、温泉旅行なんかも素敵だと思います。自分にあったやり方で、理論脳からワクワクを見つける直感脳に変えていきましょう。

健康は、自分で創る回復メソッド》学んだ思考・知識を活用し、心身の変化を体感する

♢実践編①心身の好不調の波に気づき、自己をコントロールする

さて、ここまでの学習お疲れ様でした。いよいよ、ここから実践編に突入します。ぜひ、読むだけでなくご自分で取り組んでみて下さい。これまでの学習内容を把握し、実践をしっかりとこなしてけば、徐々に、しかし確実に効果が出てくると確信しております。

それではまずは、あなたの心身の好不調の波に気づくことから始めましょう

人間の心身の状態には、必ず波があります。一方的に悪化していくだけでは、人は生きていけません。ですから、常に不調だとと思っていても、必ずどこかで底に当たって、状態は回復へと向かっていくタイミングがあります。変化が感じずらいと思う方も、落ち着いて自分を観察するようにしていけば、その変化が感じ取れるようになるはずです。焦らずに、日記をつける、メモを取るなどをしてご自身の状態の把握に努めて下さい。

あなたは最初に、心身の好不調の波に関して、以下の点を把握して欲しいのです。

  • ①あなたの現状における最高とは、どのような状態ですか?反対に、どん底とは、どのような状態ですか?
  • ②心身の状態の好不調に一定の周期はありますか?
  • ③心身の状態がどん底になってから、ある程度回復したと思うまでにどの程度の期間(時間)が掛かりますか?また、どのような状態で過ごせば、その状態から抜けられる期間が短くなりますか?
  • ④心身の状態が悪化する前段階で、毎回同じタイプの負荷が掛かっていませんか?
  • ⑤どん底状態になる前に、何か予兆はありませんか?

それでは、順番に解説していきます。

①あなたの現状における最高とは、どのような状態ですか?反対に、どん底とは、どのような状態ですか?

あなたの最高の状態と、どん底の状態をご自身で把握するように努めて下さい。今の状態が自分にとって良いのか悪いのかに気づくだけで、自分を客観的に見れるようになり、パニックになることが避けられます。例)「最高の状態は、不安も感じずワクワクして仕方がない」「どん底の状態は、焦燥感があり、身体もだるく寝込んでしまう」といった自分の特性が分かっていれば「どん底の時には無理をしない」「調子が良いときは、自分が熱中できることに時間を費やす」などの戦略が立てられます。

実践的でおすすめなやり方は、ざっくり三段階に自分の状態を「良い・普通・悪い」の三段階で常に把握しておくことです。ただし、ここでの「良い・普通・悪い」は、あなたなりの区分で分けるといいです。例えば、常時、頭痛がある方であれば、ある程度までの頭痛のつらさは「普通」としていいでしょう。そこを基準として、症状が軽く気分が良ければ「良い」ですし、症状が重たい日であれば「悪い」となります。より細かく区分していきたい方は、「やや悪い」を付け足してもいいでしょう。

そうすれば「良い」時は、リラックスして楽しめばいいですし、「普通」の時は、ある程度心身の状態をコントロールしながら生活する、「悪い」時は、なるべく負担を掛けずに休むことを優先するなどの判断がしやすくなります。

②心身の状態の好不調に一定の周期はありますか?

あなたの好不調の波に一定の周期がある場合は、次に不調になるタイミングがわかります。より体調の予測が立てやすくなりますので、落ち着いて行動出来るようになります。また、周期というよりは、時間帯で好不調の波が出る方もいますので、その場合は、時間帯ごとにやれることや、やれないことを把握しておくことです。

③心身の状態がどん底になってから、多少は回復したと思うまでにどの程度の期間(時間)が掛かりますか?また、どのような状態で過ごせば、その状態から抜けられる期間が短くなりますか?

“どん底の状態”と”多少は回復した状態”とでは、心身の負担に雲泥の差があります。例え、どん底状態であっても、あと数日で多少は回復できると知っていれば、心持が大分楽になります。「いつも概ね5日ぐらいで、ある程度回復するからそれまで頑張ってみる!」は、シンプルですがその状況における最適な考え方の一つです。

また、「どのような状態で過ごせば、その状態から抜けられる期間が短くなるか」についても少しずつテストしていって下さい。単純に、「何もしない」とか「とにかく寝て過ごす」などしてゆっくりと過ごすのがベストなのかもしれませんし、反対に「思いっきり走る」とか「サウナに入る」など好きなことをすることで、血流が良くなったり、気分が晴れたりして回復が早まる方もいます。

肝心なのは、ここでも自分にとっての”答え”を創りあげることです。「これをやったらストレスがなくなる」などの本は、あくまで他人にとってのストレス解消法です。自分で最適解を探し出すほうが、よほど理にかなっていると思いませんか?

④心身の状態が悪化する前段階で、毎回同じタイプの負荷が掛かっていませんか?

例えば、職場で嫌な会議に出席するとか、月末処理でパソコンを使う時間が増えているなど、同じようなタイプの負荷が掛かった後に、頭痛になったり、肩こりになったりと心身の状態が悪化するパターンはとても多いです。そのような負荷は、避けるのが一番ですが、現実的には難しい場合も多いでしょう。

そのような場合は、なるべく「その負担となる思考や行動となる時間や頻度を限定する」ことが望ましいです。例えば、仕事でストレスが溜まって心身の状態が悪化することがわかったのであれば、「仕事の事は家では考えない」とか「やるべきことをやってなるべく早く帰宅する」などです。根本から変えようとするよりも、対処療法が効果的です。原因が特定出来たのであれば、それで十分対策は打てるのです。難しく考え過ぎると、かえって自律神経を乱すことに繋がりません。このように「対処療法」がベストな場面は沢山あります。

⑤どん底状態になる前に、何か予兆はありませんか?

人は、「大きなストレスを受けると、自暴自棄となり、普段は抑えていた衝動に駆られてしまう」という特性があります。衝動性に駆られて行動をしてしまうと、やるべきことがやれなかったり、生活のリズムを崩したり、暴飲暴食をしたり、または、感情的になり人間関係の悪化を引き起こしたりと、自分の心身に負担を掛ける結果を引き起こしやすいです。

別に衝動性そのものが問題なわけではありません。生きている上で、ストレスは常に掛かってきますから、どこかのタイミングで衝動性に駆られることは普通です。

ただし、これは、どん底状態になる前の前触れとなっている方が多いです。もし、これらの衝動性がどん底状態の前段階の予兆となっている場合は、衝動性に駆られた時点で、どん底状態に自分があると仮定して、どん底状態にいる自分が取るべき行動を取ると、回復が早まるはずです。

私の場合は、衝動性は暴飲暴食なのですが、そうなってくると体調も悪化してきます。ですから、そのような自分の衝動性に気づいた時には、無理をせずに休んだり、もしくは、マラソンして気晴らしをしたりします。

♢実践編②「ワクワクを選択する」ことで自律神経を整える

続いて、最もシンプルかつ、本質的な自律神経の整え方についてお伝えします。

それは「ワクワクを選択する」「自分の人生が最大限に輝くと思う選択をする」ということです。

「え?そんな単純なことで良いの?」と不思議に思うかもしれません。確かに、ここに至るまでに色々と思考や知識について学んで頂きましたから、少し拍子抜けしたと思います。ですが、それでいいのです。

なぜならば、ワクワクを選択する」、もしくは「自分の人生が最大限に輝くと思う選択をする」は、「主体的に人生を生きている」ことに他ならないからです。「ワクワクすることを選ぶとき」に、あなたは受け身ではいられません。同様に、「自分の人生が最大限に輝くと思う選択をする」とき、あなたは自分の人生を生きているのです。

とはいっても「ワクワクすることなんて、特にないよ。見つかったら苦労はしない」と思うかもしれません。ご安心ください。それは、あなたにやりたいことがないわけではありません。単純に「自分が好きなことをしてはいけない」とか「他人に許された自分でいなければいけない」などの思い込みを持っているからです。

以下は、世の中の考え方、価値観を図にしたものです。

あなたは、これまでの人生経験から、なるべく皆と同じ考えでいたほうがいいと思い込んでいます。それが正しいと思い込んでいるのです。ただし、本当のところは、あなたの考え方や価値観はもっとユニークでオリジナリティに溢れたものです。

というと「いや、そんな突飛な考え方をしたら、変な人だと思われる」と不安に思うかもしれません。

世の中に正解はありません。ですから、変な人も何もないのです。そもそも、100人いたら100通りの考え方があるわけですから、本来あなたはもっと、自由でいいのです。

ですから、ここではまず、「ワクワク」や「自分の人生が最大限に輝く」であろう選択をすることが出来れば、それが一番ベストなんだということを覚えておいてください。常に、これらの問いかけを自分にして、自分が主体的に生きるチャンスを獲得するように努めて下さい。

まずは、心が楽になり、そして次第に身体の症状にも変化が出てくるでしょう。

実践編③あなたの資質に合った思い込みのセットし、あなたの資質にそぐわない思い込みの解消をする

・自分の軸足を判定する

それでは、いよいよ本メソッドの真骨頂とも言うべき思い込みについての解説です。ここでは、より具体的にあなたの資質に合った思い込みの見つけ方、あなたの資質にそぐわない思い込みの解消方法についてお伝えしていきます。

それにあたって、まずあなたの軸足判定をしていきます。軸足判定とは、簡単に言えば、あなたの属性を判定するというものです。例えば、ゲームであれば、キャラクターによって火属性だったり、水属性だったりしますよね。ここでは、それと同じように、本来あなたがどの属性なのかを判定し、あなたにはどのような方向の思い込みがマッチするのか大まかな方向づけをしていきます。

それでは、軸足判定をしていきましょう。

江戸時代の俳諧師、松尾芭蕉の理念に「不易流行」があります。不易流行とは「時代を超えても変わらない本質的な変わらないもの”不易”と、時代の変化とともに変わっていく必要があるもの”流行”があり、どちらも大切である」といった解説がされています。その真意は「新しみを求めてたえず変化する流行性にこそ、永遠に変わることのない不易の本質があり、不易と流行とは根元において一つである」ということになります。

ですから、「不易」と「流行」はコインの裏表のように表裏一体であって、同時に成り立つものということです。私は、思い込みについて研究していく中で、「自分の資質にあった思い込み」と「自分の資質にそぐわない思い込み」が存在することに気づきました。ここで紹介するのは、それを判別する為に創った指標となるものです。

私はその2タイプを「不易寄りタイプ」と「流行寄りタイプ」と名付けました。

2つのタイプのどちらに属するかは、あなたの遺伝子からの元々の気質、もしくはあなたの幼児期など、人生の始まりの期間で決定するものであって、その後の成長如何で変化することはありません。ただし、先ほど挙げた通り「不易」と「流行」は表裏一体ですから、あなたがどちらのタイプに所属するにせよ、その両方の性質を持ってます。

また、どちらのタイプであるにせよ、そこにはグラディエーションがあります。ですから、極端に「不易」に寄っている人もいれば、反対の「流行」に寄っている人もいますし、そのおおよそ中間にいる人もいるということです。ですが、突き詰めていくとやはりどちらかに軸足があります。我々は、そのどちかに軸足あるかを把握することで、自分の進むべき方向が見つけやすくなります。

それでは、まずは「不易寄りタイプ」の特徴についてです。

不易寄りタイプは、自分だけの世界観を持ち、自分独自の考えを強く持ってます。このタイプは、思考の始発点が個人にあり「世の中に無理に自分を合わせるよりも、自分で自分なりの正解を創り出すことにより本領を発揮します」そのような生き方こそが、このタイプにとっては、自然体で楽になのです。ですから、このタイプは「世間の流行りに左右されずに、自分の価値観に準ずる」というポリシーを意識的に、あるいは無意識下に持っています。自分の考えが強いので、流行に左右されにくく、自分の考えを突き詰めていくことが得意です。職人気質と言ってもいいでしょう。あくまで、主導権は自分の側にあり、自分の考えや意見を世の中に通す為に、色々と戦略を練ることで対応していきます。成長欲求が強く、常に自分をアップデートしていくのが好きです。このタイプは、良くも悪くも思い込みが激しいので、自分の考えに確信がある時は自信を持って突き進んでいくことが出来ますが、反対に、自分の考えに疑心暗鬼になってしまうと途端に前に進めなくなります。時流に合わせてスタンスを変化させるのではなく、自分の持論に絶対的な自信を持った上で、自分を貫き通す為に、世の中に訴えていくスタンスこそが、このタイプの真骨頂です。

例を挙げて説明します。

もしあなたが「不易寄りタイプ」で自家製のカレーを販売していたとしましょう。あなたは、自分のカレーに満足しないうちは、商品として売り出したくありません。自分が美味しいと思うまでに何回も試行錯誤を繰り返します。そして、完成したカレーライスを手にして初めて、世の中にどのように売り出すか戦略を練り始めます。もし、自分のカレーが美味しいとの確信があれば、自信を持ってあなたはあの手この手でプロモーションを掛けようと活動的に行動するようになります。ただし、もし何かの問題で自分のカレーのクオリティーに満足出来なくなれば、モチベーションは大きく低下することでしょう。あなたは、真っ先に自分の美味しいと思ったカレーを作りった上で、その味をわかってくれるお客様に受け入れて貰えるように努力しようと考えるのが「不易寄りタイプ」なのです。

次に「流行タイプ」について解説します。

流行タイプは、思考が柔軟で適応力に優れています。このタイプは、思考の始発点が世の中にあり「個人の考えを貫き通すのは傲慢であると考え、世の中の流行に合わせることによって本領を発揮します」そのような生き方こそが、このタイプにとっては、自然体で楽になのです。ですから、このタイプは「自己に固執せずに、大いなる時流の流れに身を任せ、その時代を楽しむ」というポリシーを意識的に、あるいは無意識下に持っています。流行に敏感で、世の中の動きに合わせて柔軟に自分の行動を変えることが出来ます。あくまで、主導権は世の中にあり、自分の考えが周囲や時代にそぐわない場合は、自分のスタンスを変化させ、世の中の需要にマッチさせていくことで対応していきます。このタイプは、自分の考え方に固執せず、誰とでも打ち解けられる傾向があります。しかし、その一方で時流に合わせて自分のスタンスを変化させるため、一見するとダブルスタンダードと思われることがあるかもしれません。ただし、一般的な意味でのダブスタとは全く違います。そもそも「個人の考えを貫くことそのものが、傲慢であって、自然の摂理に従っていない」という考え方なので、自分の軸はしっかりと持っています。ですから、このタイプが軸がないといのは間違いです。自分の考えに固執することなく、柔軟に物事を捉え、世の中に合わせてスタンスを自由に変化させながら、世の中のニーズに合わせていくことが、このタイプの真骨頂です。

それでは、先ほどと同様に、もしあなたが「流行寄りタイプ」で自家製カレーを販売していたとして解説します。

あなたは、もちろん自分のカレーに自信を持っています。ですが、自分の考えだけに固執することはしません。柔軟に他の人の意見を取り入れ、世間の反応に気を配りながらカレーを完成させていきます。自分が試行錯誤を重ねて作ったカレーであったとしても、世間の流行と違った場合は、またゼロからやり直す根気と柔軟性があります。なぜならば、お金を払って頂くのはお客様だと理解しているからです。あなたは、真っ先に多くのお客様に受け入れて貰えるように工夫凝らし、自分の感覚を修正していく努力をするのが「不易寄りタイプ」なのです。

どちらのタイプが良くて、どちらが悪いということではありません。もちろん、同じ人であっても、状況や取り組む分野に応じて「不易」が軸となるか、と「流行」が軸となるかも変わってきます。両方の視点を高いレベルで持ち合わせていて、一見すると「ハイブリッド型」に近い人もいます。ですから、先ほどはカレーを例にしましたが、あくまで究極にシンプルに説明した場合です。実際には「不易寄りタイプ」であっても世の中の流行にも注意を払うでしょうし、「流行寄りタイプ」であったとしても、カレーの味にはこだわるでしょう。

大切なのは、「自分の根本はどちらなのか?」を把握することです。そして、反対のタイプがいることを知っておくことです。それにより、自分の進むべき方向が見えてきますし、反対のタイプに影響されて自分を見失う事も無くなります。

それでは、自分がどちらのタイプかがわかったら、人と会う時には次の事を意識していきましょう。

同じタイプの人は、自分を深めてくれる人です。

なぜならば、もしあなたが「不易寄りタイプ」であったとしたら、同じ「不易寄りタイプ」の人と繋がることで、あなたはさらに自分の世界観を深めることが出来るようになります。なぜならば、同じ気質の者同士で触れ合うことにより自分の世界観で生きることが、自然と肯定されるようになるからです。不易寄りタイプは、自分のやっていることに疑念があると上手く行きません。ですから、自分の世界観を自分で肯定する為に、同じタイプとの交流はとても重要です。

同様に、あなたが「流行寄りタイプ」であったとしても同様です。同じタイプと繋がることにより、自分の生きる上でのポリシーが本質的であると確信し、後押しを得られるでしょう。時流を読んで、自分を変幻自在に変えていくスタイルは、視野が広くないと出来ない事です。同じタイプと交流することにより、あなたの視野はますます広がり、そして自分の考えに固執しないことが、自然の法則に合っているとの確信を深め、自分のスタイルに自信を持てるようになります。

以上の理由から、もし、あなたが何かしらの原因により、自身を見失っているということでしたらば「同じタイプ」との交流をオススメします。

そのように言うと「自分と同じタイプの人と付き合った方がいいの?」とか「違うタイプの人とは価値観が合わないの?」と思うかもしれません。結論から言いますと、両方のタイプとの出会っていくことが重要です。

違うタイプの人との交流は、あなたの「幅」を広げてくれます。

もし、あなたが「不易寄りタイプ」であったとしたら、「流行寄りタイプ」の人と繋がることで、あなたは考え方に幅も持てるようになります。なぜならば、自分の意見に固執する世界感から、「流行寄りタイプ」の人と出会うことで、自分だけに拘らないスタンスの重要性を学ぶことが出来るからです。そして、その幅が広がることによって、より多くの価値観に気づくことが出来るようになります。

あなたが「流行寄りタイプ」であった場合も同様に、「不易寄りタイプ」と触れ合うことで、今までの自分の発想の中心であった世の中に合わせるのではなく、個人の世界観、考えを主張していくやり方が心地よく感じるきっかけとなるかもしれません。時流に合わせて柔軟な思考を発揮できるあなたが、より拘った世界観を持つようになると一気に世の中での立ち位置を確保出来るようになります。

ここからは、気を付けて頂きたいことです。

先ほどは、人との交流におけるメリットの話をしました。事実、多くの人と出会うことにより、どんどん自分の考えは深まり、そして幅が広がります。ただし、人はお互いに良くも悪くも影響を与え合っているわけです。ですから、他人との交流のうちに、反対に自分の軸を見失うようなことが起こります。

わかりやすいようにストーリー仕立てで話していきましょう。

あなたは、カレー屋さんを経営している「不易寄りタイプの店主」です。あなたはカレーを愛し、食材や調味料を厳選し、手間暇かけて自信満々のカレーを提供していました。この店にはカレー好きの根強いファンが集まります。値段は高かったものの、洗練されたカレーの味に虜になっていたのです。お客さんは、そのこだわりの味に魅了されていました。ただし、お客さんが来てくれていた理由は一つではありません。あなたのカレーへ情熱を注ぐ姿に元気を貰えていたから、ここに訪れていたのです。しかし、あなたには悩みがありました。それは、カレーへのこだわりが強すぎて、、食材にも大分お金が掛かっています。ですから、どうしても高く提供する必要があり、大衆向けでリーズナブルな値段での提供が難しかったのです。カレーが好きで始めた商売でしたが、どうしても値段がネックになってしまい、お客さんの人数が不足していていました。そして、徐々に経営は追い詰められていきました。

一方で、あなたの知人の同じくカレー屋さんを経営している店は大繁盛していました。あなたは、知人に尋ねます。「どうしたら、そんなにお客さんが来てくれるの?」知人は答えました。「カレーの味にこだわり過ぎだね。お客さんは、安くカレーを食べることを望んでいるんだ。とにかく安い材料で原価を下げて、手間暇をかけて作るのを辞める。その分、安く提供する。商売は、相手ありきなんだから自分のこだわりを捨てて、お客さん目線にならないと生き残れないよ」それを聞いたあなたは、自分のこだわりのカレー作りを辞めることに躊躇しました。今までカレーに情熱を注いでこだわってきたやり方を変える事は、得も言われぬ苦痛があったからです。しかし、アドバイスは的を得ていましたし、背に腹は代えられません。あなたは散々悩んだあげく、なるべく原価を抑えて、カレーの値段を下げて、手間暇がかかる工程は省くことにし、大衆向けのカレー屋へリニューアルオープンすることにしました。

値段を下げたことと、リニューアルオープンの目新しさから、最初は面白いように人が集まってきました。今までは、カレー作りに膨大な時間が掛かっていた為、その工程を省くことでチラシを配る時間も出来ました。あなたは、無事に集客が上手く行き経営が安定することで、安心を得ることが出来ました。「これで夜もぐっすり眠れる、、、」しかし、それと同時に、あなたは、安心を得ると同時に、ある大切なものを失っていました。それはカレーへの愛でした。そこであなたは気づきます。それは「カレー屋をやっていても、楽しくない、、」というあなたの心の底からの悲痛な叫びでした。一見すると、リニューアルは大成功、あなたの人生は順風満帆に見えます。しかし、「不易寄りタイプ」のあなたは、世の中の流行に合わせて自分の世界観を捨てることで、心にポッカリと穴が開いたように感じました。そして、そのストレスにより、そのうちに、あなたの心身はどんどん不調になっていきます。

経営は安定してきたのになぜ、、、あなたは不調になってしまったのでしょうか。

さて、今のは例え話ですが、答えはもうお分かりですね。

あなたは「不易寄りタイプ」にも関わらず、「流行寄りタイプ」の人の話に大きな影響を受け、自分の価値観から大きくはみ出しました。それにより混乱し、自分を見失ったのです。確かに、「流行寄りタイプ」の人の考え方は一つの正解でしょう。ただし、それがあなたに当てはまるとは限りません。「流行寄りタイプ」にとっては、ストレスにならないことが、「不易寄りタイプ」には大きなストレスになることもあるのです。このケースでは、あなたは不易寄りタイプなわけですから、流行寄りタイプの人からのアドバイスは、根本の軸足が違う人からのアドバイスであることを認識した上で受け取る必要がありました。

反対に、「流行寄りのタイプ」の人が「不易寄りタイプ」に強く影響を受ける事でも、同じことが起こり得ます。時流を読んで、自分を柔軟に変えていくスタイルだった人が、急に自分の世界観にどっぷり浸かった戦略を取れば、色々なところで綻びがでて当然ですよね。なぜならば「流行寄りタイプ」の真骨頂は、世の中の時流に合わせて、何が求められているかを敏感に感じ取り、そこに自分のスタンスを寄せていくことだからです。

どちらの場合にせよ、言えることは「自分のタイプを知らないと、上手く周囲からフィードバックを得られない」ということです。

このように言うと「じゃあ、具体的にはどうすれば良かったの?」と思うかもしれません。

この例の場合で言えば、「不易寄りタイプ」であることをまず、あなたが自覚していなければなりませんでした。でそして、あなたは自分のカレーへのこだわりを捨てずに、それを守りながら世の中のニーズとの折り合いつけていく道を探せば良かったのです。あなたは、不易寄りタイプで職人気質の性格です。そもそも、カレーへのこだわりが、あなたにエネルギーを起こしていたわけですから、そこは手放すべきではなかったのではないでしょうか。値段が高くてもファンはいたわけです。集客を工夫するなど他にやれることはあったでしょう。

もちろん、それで上手くいくとは限りません。失敗する場合もあるでしょう。ですが、それは結果論であって、あなたが自分の軸足を踏まえ、さらに現状の能力をフルに使って考え、決断したわけですからそれ以上にやりようは無かったわけです。そもそも、何かの決断をする時に自分の軸足がなければ、無限の選択肢がある中で、いつもランダムにクジを引いていくようなものです。その場合、成長は見込めず、さらにどんどん自分が無くなっていきます。そして、自分が無くなっていく過程において、大変な憎しみや怒りを心の底に溜めていきます。「不調を自分でを創っている」とは、このようなことの積み重ねによって起こります。

今回は、わかりやすいようにあなたがカレー店の経営者であることにして、話をしましたが、現実世界において、「あなたという店」の経営者は誰なのでしょうか?それは、あなた自身にでしかないでしょう。その経営を、他人に全て任せてしまっていいのでしょうか?もちろん、他人から必要な情報を得て、参考にさせて頂くことは必要です。ただし、最終的は、自分自身で”答え”を探していかねばなりません。

ですから、まずは自分で”答え”を創るスタンスが大切なのです。そしてその自分自身を理解する為「不易寄りタイプ」か「流行寄りタイプ」かの判別が大いに手助けとなります。そして、それを理解した上で、自分の現時点での能力をフルに使って、決断していけばいいわけです。そういった決断で行動すれば、どのような結末になったとしても自分の成長に繋がっていきます。無限にある選択肢の中で、くじ引きで決断をするのではなく、無限にある選択肢の中で自分の軸足を持ちながら、決断をしていく。そのように変えることが、自分の人生を生きる事であり、それによって、自律神経が安定して稼働するようになります。

もちろん、自分の能力には限界がありますから、周囲の人と協調性を持って意見交換をするのは大切です。その際、相手からのアドバイスが、不易寄りタイプなのか、それとも流行寄りタイプなのかを踏まえるだけで、ある時は自分を見失うリスクは大きく減少し、またある時は素直に受け入れやすくなるでしょう。

現実の盤面では、もっと局面が複雑です。ただし、自分の根本の軸足はどちらにあるか把握しておくことによって、人との関わり合いで混乱を避けることが出来るようになります。我々のストレスの多くは人間関係にあると思われがちですが、本質的には、思考が整理されていないことが原因です。このように思考を整理していけば、不要なストレスに悩まされることは激減し、あなた本来のやるべきこと、もしくはやりたいことに集中出来るというわけです。

・「あなたの資質に合った思い込み」と「あなたの資質にそぐわない思い込み」についての本質的な違い

これまでに「あなたの資質に合った思い込み」を選択し「あなたの資質にそぐわない思い込み」を解消しましょうとお伝えしてきました。ここでは、その本質的な違いは何なのか?ということについて詳しく解説していきます。

あなたは、この部分を理解することで、より思い込みの取捨選択の間違いを防ぐことが出来ます。

結論から申し上げます。「あなたの資質に合った思い込み」とは、表層意識と無意識に乖離が生じない思い込みです。そして「あなたの資質にそぐわない思い込み」とは、表層意識と無意識に乖離が生じる思い込みです。

人間の意識は、表層意識と無意識に分かれます。表層意識とは、普段から私たちが自覚、認識できる意識のことです。私たちは、この表層意識によって考えたり、判断したりをしています。無意識とは、それとは反対に、自覚することなしに心の中に存在する思考や感情などです。

ですから、私たちは、無意識については自覚できないわけですが、それは自覚出来ないだけであって、実際に無意識は存在しており、私たちの思考や行動に影響を及ぼしています。そして、表層意識と無意識とに深刻な乖離が生じると、私たちには様々な困難が生じてきます。

例えば、表層意識でのあなたは、仕事が好きだと思い込んでいたとしましょう。ですが、無意識では仕事が嫌いだったとします。この場合、表層意識と無意識とに乖離があることになります。すると、どうでしょうか?あなたの2つの意識の間で揺れ動くことになり、大きなストレスが生まれます。表層意識と無意識に乖離が生じているということは、こういった状況のことを言います。

それでは、次に表層意識でのあなたが、仕事が嫌いだと思い込んでいたとしましょう。そして、無意識でも仕事が嫌いだったとします。この場合、表層意識と無意識とに乖離はありません。すると、表層意識と無意識は一致しているわけです。この状態が、「主体的に人生を生きる」ということです。別に、積極的に物事に関わっていくことが自分の人生を生きるということではないのです。今までの、あなたのイメージに囚われないでください。

たまに、何にでも批判的で文句ばっかり言っている人がいますが、案外元気だと思いませんか?それは、表層意識と無意識の思考や感情が一致しているからです。個人的には、あまり関わり合いたくないですが、そのような人の自律神経は、割合整っていることが多いです。むしろ、自分の本当の感情を抑え込んでしまい、頑張ってしまうタイプが不調になったりします。

ですから「好きなものは、好き」「嫌いなものは、嫌い」とハッキリと自分の意見を持つことが大切であって、そのような状態のときは、表層意識と無意識が一致している可能性が高いといです。嫌なものをイヤと言えば、ストレスも溜まりづらいでしょう。

・あなたの資質に合った思い込みの見つけ方

それでは、次にあなたの資質にあった思い込みを見つけて、あなたにセットしていきます。

そもそも自律神経が乱れている原因は、「主体的に人生を生きていないから」なのですが、それは、あなたが自分の資質にそぐわない思い込みを持っているからでしたね。そして、自分の資質にそぐわない思い込みとは、「表層意識と無意識に乖離が生じている思い込み」です。

もちろん「人間とは、取捨選択した思い込みで自分の人生を創造できる、どこまでも自由な存在」ですから、あなたは自由に思い込みを選択していいのです。ただし、それは表層意識と無意識に乖離が生じないことが条件です。

また、第3章の「不調から回復へと向かっていく為に必要な思考を学ぶ」では、あなたの資質にそぐわない思い込みの例として、「他人に許された自分で生きなければならない」「他人の期待に答えなければいけない」「自分には価値がない」などを挙げましたが、これは、あなたが表層意識で思い込んでいるだけで、無意識下では別です。本当は、あなたは無意識下で「自分は自由に生きていいんだ」「自分の期待に自分で答えればいい」「自分に価値がある」ことを知っています。

なぜならば、表層意識と無意識で考えや、感情が一致していれば、ストレスに打ちのめされる確率は大きく下がるからです。例えば、私の祖母は90歳近い高齢ですが、表層意識でも無意識でも何かと諦めているので、一日中家にいるだけが一番楽なのです。私も一時は、外出にでも連れて行った方がストレスが溜まらないのではないか?と考え、外出に連れ出そうとしておりましたが、どうやらそういう事でもなさそうでした。年齢に応じて人が求めることは変わりますから、何も家にずっといようが、それが意欲的ではないということにはならないのです。表層意識でも、無意識でも諦めていれば、それは楽なのです。表層意識では家にずっといるのが一番楽だと思っているのに、無意識下では、外に出て気晴らしをしたいと考えているから、その矛盾に引き裂かれるのです。

従って、表層意識の自分と、無意識の自分とのギャップがないような思い込みを選択する必要があるわけですが、私たちは大前提として、無意識は認識できないわけです。では、表層意識の何をヒントにして思い込みを探していけばいいのでしょうか?

それは「あなたの苦手なこと、嫌いなこと、後回しにすること」です。

「え?苦手なことから自分に合った思い込みなんて見つかるの?」と疑問に思うかもしれませんが、これには理由があります。それは「苦手なことに関して、人は嘘はつけない」ということです。人間には、自分を守りたいという自己防衛意識が働きますから、「好きなこと」や「得意なこと」に対する答えは、素直に答えているつもりでも、カッコつけた回答をしてしまいがちです。

ただし「苦手なこと、嫌いなこと、後回しにすること」については、実際に、苦手だったり、嫌だったり、後回しにすることをピックアップするだけですから、取り繕いようがありません。それに加えて、それらの自分の苦手なことについては、誰しも一度は改善しようと努力したことがあるはずです。それにも関わらず改善出来ていないわけです。ですから、「苦手なこと、嫌いなこと、後回しにすること」については、表層意識と無意識の両方で、一致していることになります。それらの苦手なことは、意識しなくてもオート作動してしまうわけですから、あなたにとって非常に強力な思い込みとなっています。

もちろん、それだけだと、ただ単に自分の苦手を強化してしまうことになり兼ねません。ここからが重要です、これまでの視点をガラッと変えて欲しいのです。

「苦手なことは、得意なことの反動である」というように物事の解釈を変えてみてください。

苦手なことは、あなたが得意なことを発揮するうえでの反動のようなものなのです。例えば、私は「規則に従うのが苦手」です。しかし、これを違う視点からみれば、「自分で考えて行動出来る」ということになります。また、「人の考えに合わせるのが苦手」なのですが、これも視点を変えれば「自分の考え、意見がある」ということになります。

このように、苦手なことの裏には、必ずあなたの得意なことが隠れています。まずは、それを見つけていきましょう。苦手意識が強ければ強いほど、その裏側には、あなたの独自性が見つかるでしょう。それは、自分で気づいていなかっただけで、あなたの強みであり、長所であり、才能なのです。その才能は、無意識下でずっとあなたが所持していたものです。表層意識で捉えられていなかったから、自覚出来ていなかっただけです。

ですから、あなた本来の資質に合った思い込みを取捨選択する上で、まずはあなたが「苦手、嫌い、後回しにしてしまう」ことへの見方を変えて、あなたの才能を見つけましょう。そして、浮かび上がってきたその才能こそ、あなたが自分の資質にあった思い込みであり、あなたが思い込みとしてセットすべきものなのです。

全ての事象はコインの裏表です。どちら側から見るだけの違いです。あなたは、今までコインの裏側である苦手なことばかりを見つめていました。確かに、苦手なことがあるのは事実でしょう。しかし、その事実こそが、表側の存在を証明しているのです。あなたが才能を所持しているという事実を表層意識でも認識し、無意識との統合をしていきましょう。そして、そのあなたの資質に合った思い込みを選択することで、あなたの人生は、より良い方向に創造されていきます。同時に、あなたの乱れ続けていた自律神経は整い、回復へと向かっていくことになります。

それでは、早速、あなたの「苦手なこと、嫌いなこと、後回しにしてしまうこと」をどんどんノートに書き殴っていきましょう。大原則として、そのノートはあなただけが見るようにしましょう。他人に見せるとなると、どうしても理論脳が働いて、本音で語れなくなるからです。あまり難しく考えずに、サッサと書いてしまいましょう。どうせ誰に見せるわけでもないのです。

そうしたら、次に視点を変えて「苦手なこと、嫌いなこと、後回しにしてしまうこと」を観察し、その反対側にあなたの才能を見つけて書いていきましょう。

以下のようにやってみてください。

続いて、才能側のワードをピックアップします。加えて、また視点を変えて「才能」から「あなたが求めているもの」を書き出していって下さい。こんな感じです。

今、ここでピックアップした「才能」「あなたが求めているもの」は、元々無意識下には存在していたもので、このワークにより表層意識で自覚するに至ったものです。つまり、この時点で、表層意識と無意識下で統合が取れているということになります。

ですから、後はこれらのワードを組み合わせれば、あなたの資質に合った思い込みの完成です。上記の例の場合は、以下のような形でまとめられます。

「私の生き方は、自分自身の思考力と創造性を武器に、冒険心と探究心を持って、心のままにこの世の中を楽しみ尽くすことだ」

自分の資質に合った思い込みが見つかったら、後は、念仏のように事あるごとに繰り返し呟きましょう。紙に書いて、家の目に見えるところに張ったり、財布に忍ばせてもいいでしょう。

これで、あなたは「主体的に人生を生きる」ことが徐々に出来るようになります。そして、その結果として、自律神経が整い、不調から回復へと向かっていくのです。

とはいっても「え?そんなことで?」と思うかもしれませんが、考えても見てください。仮に今まで、「毎日会社と家との往復で特に楽しいことなんかない」とか「家での家事ばっかりで、自分の為の時間が取れない」などと思い込んでいたとたら、、、今回まとめた自分の資質に合った思い込みとは雲泥の違いがあることが分かって頂けるでしょう。

もちろん、その他にもあなたに合った思い込みを取捨選択していけばいいのですが、いきなり多くの思い込みを取り入れようとしても上手く行きません。あなたが主体的に人生を生きる為に、もっとも土台となるべき思い込みを選択することで、全ては変わっていきます。自分の人生を創っていく上でのスローガンが定まれば、あなたの軸が定まり、そのスローガンを達成する為の思い込みが自然と形成されていきます。

ですから、あなたの資質に合った思い込みは一つで十分なのです。

と少しややこしい話もしましたが、とどのつまり、あなたは「好きなことは好きと言えばいい、嫌いなものは嫌いと言えばいい」のです。思った通りに叫ばなければ、願いは空まで届かないということです。

これまでの説明は、それを倫理立てて解説しているに過ぎません。思い切って、好きなことに全振りしてみましょう!きっと、素敵な人生が創造されていくはずです。

・あなたの資質にそぐわない思い込みは、壁にぶつかった時に解消すれば良い

実は、あなたの資質にそぐわない思い込みの多くは、「あなたの資質に合った思い込みの見つけ方」で見つかってます。そう、苦手なこと、嫌いなこと、後回しにしてしまうことがそれです。

ただし、それらの思い込みは、既にあなたの資質に合った思い込みとして転用されています。そこで、プラスに変換されていますから、あらかた解決済みなのです。そして、あなたの人生は、あなたの資質に合った思い込みによって、どんどんと本来のあなたにマッチするように創造されているわけです。その際に、苦手なこと、嫌いなこと、後回しにしてしまうことは、あなたの人生において今ほどに大きなウウェイトを占めなくなってきます。

ですから、「あなたの資質に合った思い込み」を自分に取り入れることが最優先事項です。

まずは、あなたの思うが儘に前進して行きましょう。そうすると、当然、新たな壁にぶつかっていきます。あなたの資質にそぐわない思い込みを個別具体的に考えるべきは、そのタイミングです。“本来の自分の資質に合った思い込みを選択しているのに、なぜか上手くいかない”その理由こそが、あなたの資質にそぐわない思い込みが邪魔をしている可能性が高いということです。

例えば、あなたは「人に役立つ仕事に情熱を燃やせる人生を送りたい」というあなたの資質に合った思い込みを選択したとしましょう。ですが、いつも仕事でキャパオーバーで、心も体も休まる暇がありません。不安感や焦燥感に駆られる日々が続きます。次第にあなたは「あれ?自分の資質に合った思い込みを選択しているのに、なぜ毎日がこんなにつらいんだ、、」と疑問に思うようになるでしょう。

もちろん、色々な要因があるでしょうし、周囲との兼ね合いもありますから、そういう日々が続くときもあります。ただし、それがいつまでも続くようであれば、あなたの資質にそぐわない思い込みを疑うタイミングかもしれません。

この疑った思い込みBが「誰よりも努力する」だとしましょう。もちろん、この思い込みが合う人もいるでしょう。しかし、あなたには本当に合っているのでしょうか?もしかしてそういった、努力の化身みたいな人に憧れた結果、自分の資質にそぐわない思い込みを選択している可能性があるのです。

中には「努力しない方が上手く行く」と思い込んで、本当に上手くいっている人もいます。思い込みは、あなたの資質に合ったものを選択する必要があります。絶対値としての正解があるわけではないのです。無理やり、誰かの思い込みを真似したところで、あなたの人生が豊かになるわけではありません。あくまで、周囲の人や環境は、あなたが自分の人生を創る為の血肉であることを理解した上で参考にするようにしましょう。

では、先ほどの「誰よりも努力する」をどのように、「あなたの資質に合った思い込み」にシフトしていけばいいのでしょうか?

答えは、「思い込みにグラデュエーションをつける」です。

別に何も思い込みの選択肢は、「誰よりも努力する」か「努力しない方が上手く行く」の2択ではありません。「自分なりの努力する」でもいいし、「楽しみながらやれる範囲で努力する」でもいいわけです。焦らずに、楽しみながら自分の資質に合った思い込みに変化させていきましょう!

■食事と運動

お伝えしたいことは、もう少しです。続いて、食事と運動についてです。

自律神経がある程度整ってくれば、自然と食事や運動についても適切な選択が取れるようになってきます。なぜならば、脳は本来、身体に必要なものを適切に私たちに教えてくれるからです。

そうはいっても「今、状態が悪くて判断に自信がない」とか「何が必要かわからないから、困ってるんだけど」と思うでしょう。これには有効な対処法がありますのでご安心ください。それは実際に試すということです。

例えば、食事。自分に必要だと思う食材を食べてみる。そして心身の状態の変化を感じてください。そもそも、人は自分に必要なものを食べた時においしいと感じる能力があります。疲れたあとに甘いものが食べたくなるのは糖分が不足する為です。運動した後のスポーツドリンクがとりわけおいしく感じるのも運動で消費したエネルギーや塩分をスポーツドリンクが補ってくれるからです。スポーツドリンクをある程度摂取した後、甘さを感じなくなり美味しさが半減したのは、必要なものを摂取し終えたからです。同じように、スーパーに行って食べたいと思ったものを食べる。脳が自然と、身体に必要な食材を選んでくれます。つまり、食べたいものを食べればいいんです。ガチガチに考える必要はありませんが、もちろん食べ過ぎは良くないです。

ただし、自律神経が乱れ、脳がリラックス出来ていないと、全然野菜を食べない、たんぱく質が明らかに足りない、ジャンクフードの摂取量が多い、など不摂生に気づきません。ですから、最初は意識しての食事管理が必要となることもあります。過度な食事管理は必要ないというのが私の考えですが、原則、基本となる栄養素の摂取はある程度しっかりした方がいいでしょう。ただし、やはり個人差が大きいので自分で適切な食事量や、食事回数、必要カロリーなどは試行錯誤していきたいですね。

運動についてですが、一般的に、過度な運動は体を疲弊させますので注意が必要です。ただし、理論脳から直感脳に切り替える目的がある場合には、多少やり過ぎぐらいが丁度良かったりします。私の場合は、毎日マラソンをした方が体の調子が良いです。ちなみに、朝に運動をすると一日中血流が良くなり、代謝が上がります。朝に時間が取れる方は、自分にあった量の運動をすると素敵なことが起こるでしょう。ただし、やはり適切な運動量に関しては、個人差が大きいです。基本は、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」です。食事も、運動も、徹底し過ぎたり、やり過ぎは良くないことを念頭に置いて、色々試してみてください。

いずれにせよ、全文を通してお伝えしている通り、自分で答えを創ることこそが、私の主張ということです。特に運動療法や食事療法などは、次々と新しい療法が開発されたり、ブームが出てきてます。ですから、そういったものを参考にするのは良いですが、それですべてが解決すると思うのはやめにして、色々と試していきましょう。

とはいえ、食事や運動は短期間で効果が出やすいので、出来る事ならゆるーくでいいので着手してみてください。ただし、もちろん無理は禁物ですよ。

■行動し続けられる環境を手にする

♢環境の重要性

ここまで読み進めてこられたあなたであれば、不調から回復へと向かう為に「主体的に人生を生きる」ことが如何に関係しているかは、十分にご理解頂けたことでしょう。

早速、自分の体調を「良い・普通・悪い」に区分して、自分の状態を把握し、適切に心身のコントロールに努めたり、ワークを通して、自分の資質に合った思い込みを見つけ、日常生活の中で繰り返し唱えてくれている人もいるでしょう。そして、何より全文を通して、あなたの心身の不調は、必ず回復へと向かっていくと希望を持っていただけたのではないかと思います。

ただし、私の「自分の健康は、自分で創る式回復メソッド」は、すぐに全員に効果が出るわけではございません。というよりも、徐々に変わっていく方の方が大半です。確かに、あなたには、私がこれまでに培った思考方法、不調に対する知識、実戦形式でのやり方をお伝えしてきました。しかし、肝心なのは、其のうえで、それらの材料をどのように調理して、自分の”答え”を創り上げていくということです。

つまり、ここからが本番ということです。

症状のつらさであれ、心の不安感であれ、他人の目に見えるものではございません。誰がどれほどの絶望感を抱えているかは、絶対に他人にはわからないのです。あなたは、ここまで圧倒的な不利な状態にも関わらず、一生懸命生きてきました。一概に比較するものではないかもしれませんが、どんなに足が痛くてもフルマラソンは42.195km走ったらゴールできます。しかし、不調と闘う人のゴールはありません。どんなにつらくとも、人知れず闘い続けるしかないのです。私自身がそうだったので、あなたの気持ちは良く分かります。

ここに至るまでにこんなに頑張ったあなたに、さらに頑張れと言うのは過酷かもしれません。ただ、それでも「あなたなりにでいいので、諦めずに闘っていきましょう」と声を掛けたいと思います。

私も、まだ自分の不調について全ての問題を解決したわけではありません。でもだからこそ、あなたの状況にコミット出来ると自信を持って言えます。

もう一人で闘う必要はありません。ぜひ、心のままにごゆるりと「あなたの作戦会議室」まで遊びにいらして下さい。

大丈夫、あなたの未来は明るいですよ!

 

♢回復サロンについて

最後に、当サロンについてです。

ここまで読んで下さった方には伝わっているかと思いますが、私は整体技術一つで人の不調が完全に回復するとは考えておりません。なぜならばその人自身が「主体的に人生を生きる」ことが一番の薬になると考えており、私が出来るのはそのサポートということになります。

当サロンでは独自の整体技術を使用し筋肉を緩ませることで体をリラックスした状態にしていきます。不調になる方は交感神経が常に働いていて内臓も筋肉も過緊張な状態が続いております。それを施術により交感神経を副交感神経に切り替えます。その結果血流が流れやすくなり、自律神経のバランスが整うことで自然治癒力が向上します。当院ではこの技術によりあなたの自然治癒力を大きく後押ししていきます。

そして、私は整体院としてのもっと重要な役割はその人が不調と向かい合いながら、「本当の自分を取り戻す為の気づきを得るための場所」であると考えております。私は、痛みを知っている人だけが、痛みで苦しんでいる人を救出せると考えています。私は、必ずあなたのお役に立てると確信しています。

せっかく、ここまで読んで頂いたのですから、一度は私に声を掛けてくださいね!人生一期一会です。あなたとの出会いを楽しみにしております。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。皆様の人生に幸がありますことを心よりお祈り申し上げます。

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